HOMMA Group、ビルトイン型スマートホーム技術の提供開始へ
米国での実績生かし集合住宅などへの実装提案
米国でスマートホーム関連事業を行うHOMMA Groupは、日本でもビルトイン型のスマートホーム技術の提供を開始する。
HOMMA Groupは、米国シリコンバレーを拠点とするスタートアップ企業。2016年に米国シリコンバレーで日本人起業家である本間毅氏が創業し、建築とテクノロジーを融合することで、独自のスマートホームを米国で提供している。
これまでにカリフォルニア州ヘイワードで建築した「HOMMA ZERO」(2022年に売却)をはじめ、「HOMMA HAUS Waterside」(カリフォルニア州ベニシア)といった戸建住宅に加えて、全18戸からなるタウンハウス型コミュニティ住宅「HOMMA HAUS Mount Tabor」をオレゴン州で建築。さらに、ポートランドでの2件目のプロジェクトとなる「HOMMA HAUS Woodstock」が2024年末にも竣工する予定だ。
これらのプロジェクトでは、計画・設計段階から完成に至るまでの全ての工程を同社が手掛けている。
また、いずれの住宅にも同社が開発したスマートホームテクノロジーが実装されている。
近年、スマートスピーカーなどの登場によって、居住者がインターネットにつながる機器などを自ら導入し、DIY的にスマートホーム化を図っていくことが主流になりつつある。同社のスマートホームの考え方は、あらかじめ住宅にビルトインされたシステムや機器を活用し、居住者が意識することなくスマートな暮らしを実現するもの。
居住者が専用のアプリをダウンロードし、アカウントを作成するだけで、例えば家の中を移動すると照明が点灯・消灯し、空調制御システムが自動的に快適な温湿度を維持するといった暮らしを実現できる。
同社の本間代表取締役は、「ユーザーの関心が『Do it yourself』から『Do it for me(誰かに代わりにやって欲しい)』へと移行しており、あらかじめスマートホームテクノロジーが組みこまれており、かつ簡単でシンプルに制御可能な住宅を求めている」と話す。
日本でも賃貸物件のスマートホーム化にワンストップで対応
前述したように、同社では建物の計画から設計、完成に至るまでを手掛け、同時にスマートホームテクノロジーも自社で開発してきた。ここにきて新たな事業形態として、他社が開発した集合住宅などに同社が開発したスマートホームテクノロジーを提供する取り組みも進めている。
三菱商事の連結子会社で米国で収益不動産開発案件などへの投資などを手掛けているDiamond Realty Investments, Inc.(DRI)との共同プロジェクトでは、ポートランドの中心部近郊に位置する賃貸集合住宅にHOMMAのスマートホームテクノロジーを導入している。
この賃貸集合住宅はDRIと米国のデベロッパーAlamo Manhattanが開発するものだが、一部の住戸にHOMMAの開発したスマートライティングシステム、スマートロック、スマートサーモスタットなどが実装されている。
マサチューセッツ州ボストン市郊外にある「Neponset Landing」の最上階のペントハウスユニットにも、HOMMAのスマートホームテクノロジーが採用されている。
NTT都市開発と米国のSynergy社との共同実証実験として取り組んでいるプロジェクトで、スマートホームテクノロジーを活用した居住体験の実証だけでなく、賃料上昇や差別化への貢献度なども含めて検証しようとしている。
HOMMAでは、これまでの実績を生かして、特に賃貸物件のスマートホーム化をワンストップで対応するサービスも開始している。同社のスマートホームテクノロジーを活用しながら、ビルトイン型のスマートホームを実現することで、賃貸物件の価値向上を後押ししていきたい考え。
また、米国だけでなく日本でも同様の事業を展開していく。
スマートホームの部分を包括的にHOMMAが担うことで、デベロッパーなどが手間をかけずに賃貸物件の価値向上や差別化を図ることができる。
本間代表取締役によると、既に関心を示す日本企業もあり、デベロッパーや賃貸事業を行うハウスメーカーなどへの提案活動を開始しているという。
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