三井ホーム、インターナショナルスクールの食堂を設計施工
木造トラスの小屋組みで無柱大空間を創出
同社が施工したインターナショナルスクール「Rugby School Japan(RSJ)」の食堂棟が完成した。RC造と木造トラスのハイブリッドで木造トラスを現しで使用する開放的な空間を実現した。
食堂棟は三井不動産が、公・民・学連携による「柏の葉国際キャンパスタウン構想」を推進させる新施設として、千葉大学柏の葉キャンパス内の敷地内に誘致した、首都圏発の英国名門パブリックスクール、RSJ(2023年9月4日開校)の施設のうちの1棟となる。既存樹木を生かした配置計画とし、並木の稜線に調和したアーチ状屋根のデザインにより、学生が集う食堂として学校のシンボルとなるような印象深い建物とした。
主要構造の外壁をRC造の耐火構造とすることで木造トラスの現し天井を長手方向の架構としダイナミックで開放的な空間を演出した。輸入材による木造トラスの小屋組みにより、スパン約26m・最高天井高さ約8.1m、ダイニングホール525㎡の無柱大空間を創出した。外装においてもコンクリート打放し仕上げと国産材による杉板張りを組み合わせた。
木造トラス天井を使用した1500㎡規模の設計施工は豊富な実績があるが、通常、木造トラスは防火性能を持たせた天井材で覆うことが多い。今回、延べ床面積を1500㎡以下に抑え、RC造と木造トラス天井とのハイブリッドとすることで、また、外壁構造をRC造の耐火構造とすることで、防耐火規制をクリアして、天井材で覆うことなく木造トラスを現しとすることができ、無柱大空間を実現した。
同施設のデザインは「伝統と革新」をコンセプトとしている。南北軸を中心に、左右対称の平面計画は、伝統を重んじる学校の権威を表現。また、食堂内部のデザインも左右対称に配置し、英国の名門パブリックスクールのデザインを踏襲した。さらに、天井部に見える木造トラスは木と鉄を組み合わせ、日本建築に多い木肌を出した塗装仕上げとはせず、イギリスの格式ある教会天井の様に黒系の塗装で仕上げ、日本の建築技術と英国伝統デザインを融合した建物を実現した。建物の両サイドには複層ガラスのカーテンウォールを採用し、開放的な空間に仕上げた。
省エネ性能も追及した。同社独自技術の屋根断熱構造材であるダブルシールドパネルや、高効率空調機器を採用することにより、建築物省エネ法で国が定める基準の一次エネルギー消費量を50%以上削減することで適合するBELS評価の「ZEB Ready」を取得している。
今後も中大規模建築物の木造化を推進することにより脱炭素社会の実現に貢献していきたい考えだ。
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