2023.12.15

AQ Group、発足当初のミッションを達成しジャーブネットを解散

工務店と賢く連携し高め合う支援事業の継続を検討

主宰する日本最大級の工務店ネットワーク「JAHBnet(ジャーブネット)」について、25年間続いた活動に幕を下ろし、2023年12月末日をもって解散することを決定した。

11月28日に、ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ(東京都港区)にて、最後の会合となる「勝どきを上げる会」を開催し会員各社で達成したミッションを確認し合った。

JAHBnet(ジャーブネット)は、1998年に前身の「アキュラネット」として設立。「日本の家づくりを変える」「世界に誇れる住環境をつくる」をミッションに、また、「日本の住まいを安くする」、「地域工務店・木造住宅を主役に」を旗印に掲げ、地域社会のインフラとしてなくてはならない工務店の近代化が、地域の活性化につながると考え活動してきた。設立当初、大手ハウスメーカーが席巻していた住宅業界に新たな風を巻き起こし、「適正性能」を追求した坪単価21万円の商品「M21」が日経新商品ランキング価格メリット部門で第一位を獲得。その後555万円の商品「新すまい55」を発売するなど、一貫して「高品質な住宅」を「適正価格」で提供してきた。東日本大震災発生後の2011年4月には「日本を元気にしようプロジェクト」を発足させ、全国会員を束ねて相互扶助の精神のもと「仮設住宅」の建設など多くの支援を実施した。こうした取り組みから加入工務店も最大631社となり、また累計棟数は16万棟を超え、静岡県の福工房、鳥取県のアート建工などが都道府県・エリア・地域においてナンバーワンビルダーに成長。さらに全国規模のビックビルダーに成長した企業も輩出し業界発展に大いに貢献してきた。

「勝どきを上げる会」の最後に会員企業と共に記念撮影を行った

JAHBnet発足当初は、ほぼすべての都道府県で大手ハウスメーカーのプレハブ住宅が戸建住宅の新築着工シェアの3割以上を占めていたが、2021年時点でプレハブが3割以上のシェアを持つのは6県のみとなり、在来木造のシェアも盛り返し市場環境は大きく変わった。こうした背景から、JAHBnetはすでに果たすべき役割を終え、掲げたミッションを達成することができたと考え、現在でも100社を超える会員企業が在籍し、継続を望む声や惜しむ声が多くある中で、解散を決定した。AQ Groupは今後も、JAHBnetとは違う形で、最新技術を取り入れ、かつ高い自由度のある住まいを、適正価格で提供できる「理想のつくり手」に進化することを志す全国工務店と賢く連携し高め合う支援事業の継続を検討していくとした。

構法、工法、設計の3つを革新
本物のつくり手が残っていく住宅業界に

宮沢俊哉 代表取締役社長

宮沢俊哉社長はジャーブネット解散の理由、AQ Group のこれからの展開を説明した

なぜジャーブネットを解散するのかと多くの問い合わせがあった。本心を言えば時代が大きく変化していく中での恐怖があった。どう勝ち残っていくか。つくり手として地域の主役となり、理想の建築を追求していくために我々はどういった立ち位置であるべきかを考え、一度JAHBnetを解散し、AQ Groupを変えていく意思決定をした。やはりつくり手は、建築技術の開発を怠ってはいけない。我々は現在、埼玉県内の4700坪の敷地に研究所の建設を進めている。構法、工法、設計の3つの革新、高度化に取りくんでいく。こうした活動を通じて本物のつくり手が残っていく業界の発展に寄与していきたい。