アキレス、「北総研防火木外壁」の専用断熱材を開発
硬質ウレタンフォーム仕様で防火構造の大臣認定を初取得
「北総研防火木外壁」の専用断熱材として「アキレスボード FR」を開発した。硬質ウレタンフォームを使った仕様で初めて「北総研防火木外壁」における30分防火構造の大臣認定を取得した。
アキレスは、「北総研防火木外壁」の専用断熱材として「アキレスボード FR」を開発し、12月から全国で受注活動を開始する。
「北総研防火木外壁」とは、(地独)北海道立総合研究機構 建築研究本部 北方建築総合研究所(北総研)が研究開発した、付加断熱仕様の外壁に木質外装材を組み合わせた防火構造の木外壁のこと。研究成果の一部を民間企業・団体に技術移転し、2020年にフェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、グラスウール・ロックウールの3つの付加断熱仕様で建築基準法に基づく国土交通大臣の30分防火構造認定(木造軸組工法)を取得している。
木外壁は意匠性にこだわりを持つ設計士や工務店などから根強い人気があり、近年では部分使いをするケースもあるという。「北総研防火木外壁」を使うことで、都市部など建築基準法で定める準防火地域、および同法第22条指定区域でも木外壁が実現できるためだ。
だが、これまで硬質ウレタンフォーム断熱材による「北総研防火木外壁」の認定はなかった。そこでアキレスは「北総研防火木外壁」の専用断熱材「アキレスボード FR」を開発、これを付加断熱材に使った仕様で30分防火構造の大臣認定を取得した。これにより、主要な建築用断熱材での仕様が出揃った。
「フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、グラスウール・ロックウール仕様が先行して大臣認定を取得していたため、顧客からは『ウレタン仕様はないのか』という問い合わせが寄せられていた。木外壁の市場は大きいとは言えないが、他素材が認定を取得している以上、硬質ウレタンフォームでも木外壁が採用できるようにしておくことは顧客の選択肢を広げるという意味で重要だと判断した」(断熱資材販売部 断熱企画課・近藤正行課長)。
「アキレスボード FR」は、熱伝導率(λ)0.024W/m・Kの断熱性能を備えつつ、原料の見直しを図ることで従来品よりも難燃性を強化したことが特徴だ。厚さは50㎜、80㎜の2タイプを用意している。
例えば、天井に高性能グラスウール(λ0.038W/m・K)310㎜、外壁の充填断熱に高性能グラスウール(λ0.038W/m・K)105㎜、付加断熱に「アキレスボードFR」100㎜、基礎壁に押出法ポリスチレンフォーム(λ0.028W/m・K)100㎜を採用し、開口部をU値1.31、ドアをU値1.90とした仕様で2地域の断熱等性能等級6を実現できる。
しかし、断熱性と難燃性は相反する部分も多く、同社が販売する「キューワンボード」(λ0.021W/m・K)の断熱性能に及ばないことが課題となっている。今後は、断熱性能を「キューワンボード」に近づけるための改良を進めていく考えだ。
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