2023.11.15

パナソニック ホームズ、福島県伊達市で大規模分譲地を街びらき

地域事業者が主体となりタウンマネジメント

同社がコーディネートし、福島県伊達市、地域の事業者などと開発を進めてきた大型分譲地「Up DATE Cityふくしま」の街びらきを行った。地方創生の街づくりの新たな手法として注目を集めそうだ。

「Up DATE Cityふくしま」は、17代当主・独眼竜政宗で知られる伊達氏が最初に居住したとされる高子岡館跡に隣接し、阿武隈急行「高子駅」北側隣に接地。「福島駅」から阿武隈急行で約14分、車で約25分の場所にある。また、相馬福島道路「伊達中央IC」から車で約2分、2024年以降に開業が予定されている、東北屈指の売り場面積を誇る施設「(仮)イオンモール北福島」から約4㎞の場所に位置する。

今回、竣工した地域交流の拠点となる「U-プレイス伊達」を中心に、福祉施設、認定こども園、商業施設、複合施設および戸建214世帯からなる、総面積約14・1haの複合開発となる。

全世代が活躍できる街

プレイスメイキングふくしま伊達の渡邊浩二代表取締役(渡辺工務店副社長)は「我々がハブとなり、国や伊達市などとも連携し、交流施設『U- プレイス伊達』を拠点に農業、福祉、健康を基軸としたサービスを展開して世代循環型の街づくりを進めていきたい」とあいさつした

街のコンセプトは、「健幸と生涯活躍のまち」と「想像を超えたくらし」。将来にわたるタウンマネジメントを地域の事業者が主体となり担い、官民連携で事業を進める仕組みを構築。「全世代が活躍できる街」づくりを目指す。

パナソニック ホームズの嶋川副社長は、「今回の取り組みを『地方創生』の成功モデルとして全国各地に展開していきたい」と話す

今回の街びらきに至るまでは長い年月を経てきた。2014年5月、伊達市が「伊達市健康都市基本計画」を策定、2016年3月、パナソニック ホームズなど民間企業も含む5者による事業化検討パートナー覚書を締結し、生涯活躍の街(伊達市版CCRC:Continuing Care Retirement Community)推進事業の基本計画に着手、2017年11月、土地区画整理組合が設立され土地区画整理事業がスタートした。その後、2021年10月に福島県伊達市、パナソニック ホームズをはじめ、企業・団体が集まり、まち全体に関わるルール作り、及びアップデート可能な先進的技術や仕組みの導入を検討する「Up DATE City(アップデートシティ)協議会」を設立。「CCRC構想」から「CCAC構想」へ、つまり「Retirement」から「Active」へ変更。「高齢者が健康なうちに入居し、終身で過ごすことが可能なまち」ではなく、「年齢や職業、障がいの有無や性差に関係なく誰もが住みたくなる、自分らしく暮らせるまち」を目指すとした。その時々に必要な「くらしの仕組みやサービス」のアップデートを行い、生きがいと活躍の機会を高め、多世代交流を活発化し、くらしを醸成・発展させるために、街づくりの方向性を定めたガイドラインを設定し、「健幸と生涯活躍のまち」をつくり、「想像を超えたくらし」の実現を目指す、というまち全体のコンセプトを定めた。Up DATE City協議会は設立当初31企業・団体でスタート、現在56企業・団体に増えている。

地域交流の拠点となる交流施設「U-プレイス伊達」の前で代表者が集まりテープカット。CCAC施設として宿泊体験ができる試住施設も整備している

さらに、2022年12月、将来にわたるタウンマネジメントを担う「プレイスメイキングふくしま伊達」を設立。地域の建設事業者である渡辺工務店を代表企業に、酒井東栄コーポレーション、プレイスメイキング研究所、(一社)つむぐるカンパニー、(一社)アクティブライフだてな、の主に地域で活動する企業・団体で構成する。Up DATE City協議会で検討した7つの取組み、ウェルネス、モビリティ、エネルギー、エコロジー、セーフティ、コミュニティ、コンシェルジュのサービス提供を担い、エリアマネジメント・タウンマネジメントを行う。具体的には官民連携により、CCAC施設などの整備・運営、地域振興事業(高子地域の賑わい創出や多世代交流プログラムなど)、関係人口・移住促進などの業務を担う。パナソニック ホームズはタウンマネジメント業務を支援する。伊達プロジェクトの熊谷一義プロジェクトマネージャーは「永続的に持続可能な形でタウンマネジメント継続、発展させていくためには、やはり地域の企業・団体に担ってもらう方が良いと考えた。Up DATE City協議会も街のルールづくりを行う役目を終え、実行フェーズに移行する段階に入ってきている。我々は側面からサポートする立場で街づくりに携わっていきたい」と話す。

交流拠点施設を中心に、福祉施設、認定こども園、商業施設、複合施設および戸建214世帯からなる、総面積約14.1haの複合開発となる

214区画の住宅街区を整備
地域住宅会社14社が土地、建物を販売

住宅街区214区画の整備については、タウンルールに基づき、地域住宅会社14社が土地と建物を販売。住宅街区の整備においてもパナソニック ホームズは主にデベロッパーとして地域の住宅会社とに土地の販売を行い、同社として住宅を建設するのは1区画のみとなる。宅地売買時に地域住宅会社に対して、車道からセットバックして植栽を整備することなど、街づくりの基本ルールを説明する。土地+建物の平均価格は3500万円~4000万円となる見込み。2022年4月に販売を開始。段階的に10~20区画を売り出し、2026年3月末までにすべての区画を販売する計画だ。すでに58組が成約済みで、約40組の世帯が居住している。内訳は福島市内の住民が約4割、伊達市内の約4割となっている。「タウンサービスが充実する住みやすい街として県外の方にもぜひ興味を持ってもらい、移住してきてもらいたい」(同社)。嶋川幸次副社長は「『くらしの仕組みやサービス』のアップデートを行うとともに、今回の取り組みを『地方創生』の成功モデルとして全国各地に展開していきたい」と述べた。