2023.11.6

タナカ、勾配用鋼製ブレースの引き合いが好調

第三者評価を取得した業界初製品

今年4月に販売開始した「勾配用オメガメタルブレース」の引き合いが順調に伸びている。第三者評価を取得している勾配屋根用のブレースは業界初であり、採用のしやすさからも注目を集めている。

「勾配用オメガメタルブレース」は、横架材間隔0.9m~3.0m(芯-芯寸法)に対応し、構面サイズに応じた水平構面の床倍率および勾配屋根の屋根倍率(勾配によって屋根倍率は異なる)を確保できる鋼製ブレースだ。国土交通大臣指定の確認検査・性能評価機関であるハウスプラス確認検査の評価を取得している。顧客から「勾配屋根にもブレースを使いたい」という声が寄せられたことで開発に至った。第三者評価を取得した勾配用ブレースは業界初だという。

母屋下がりなど強度が足りない箇所に使用することで屋根剛性を確保することができる。構造用合板を用いて剛性を確保するよりも総重量が軽いため、屋根の軽量化にもつながる。発売から半年ほどだが、『壁用』、『水平用』、『高耐力(水平用)』と展開する他のオメガメタルブレースシリーズの発売当初に比べて出荷数が多く、過去一番のスピードで売れているとのことだ。

新つくば耐力壁とセットで採用することで3階建て狭小住宅でも大開口の確保が可能に

また、勾配面では角度の分だけ水平面よりもブレースに長さが必要であり、その長さも勾配ごとに異なるため、設計段階で非常に複雑な計算が求められていた。そこで、構面の長さと屋根勾配を入力するだけで最適な寸法のブレースが簡単に分かる計算シートを用意した。計算シートを使った顧客からは、「計算ミスなどがなく、寸法違いの心配がない」といった声が挙がっているという。

屋根構面に使用した際の勾配(0.5~10寸)ごとの屋根倍率は、尺モジュール、M(メートル)モジュール仕様それぞれで示した一覧表で確認ができる。それらを含めた「設計技術マニュアル」をホームページからダウンロードできるようにしている。

新・つくば耐力壁とセット提案も
リーフレット作成で訴求力を強化

今後、「勾配用オメガメタルブレース」のさらなる知名度向上を図るため、幅455㎜(450、455、500㎜)で1mあたりの相当壁倍率5倍を実現できる狭小耐力壁の「新・つくば耐力壁」とセット提案を進めていく方針だ。「新・つくば耐力壁」を使って通常の半分の幅で従来壁と同等の壁量を確保。その上で「勾配用オメガメタルブレース」の採用により屋根剛性の確保と屋根の軽量化を実現。例えば狭小3階建住宅で大開口と、それに必要な屋根倍率が確保でき、従来に比べ設計の自由度が増す。この組み合わせ使用について、パースイメージなどでユーザーに分かりやすく訴求するためのリーフレットを作成し、展示会、研修会などで広くPRしている。11月に開催されるジャパンホームショーではそれぞれの実物躯体を展示予定で、この場を通じて大々的にアピールしたい考え。

総合研究部開発推進課の円城寺修一係長は、「まずは『新・つくば耐力壁』を入り口として『勾配用オメガメタルブレース』を知ってもらい、そこからさらに『壁用』、『水平用』と認知を広げていきたい」と意気込んだ。