一般社団法人MEAS、保証サービスで工務店とともに成長 環境の変化に対応しさまざまなサービス強化
工務店向けに保証サービスなどを提供している(一社)MEASが、手掛けるサービスの強化を進めている。事業環境が大きく変化するなか、工務店のニーズを踏まえたさまざまな新サービスの提供に力を注ぐ。
(一社)MEASが、提供する保証サービスなどについてその充実を進めている。
(一社)MEASは、工務店・ビルダーなど住宅事業者に対して、住宅の長期保証「スマイノミライ」を始め、設備保証「セツビノミライ」、駆けつけサービス「スマイノカケツケ」、24時間・365日のコールセンター「セツビノアフター」を展開している。
メインのサービスである「スマイノミライ」は、初期20年、長期60年保証に対応し、万が一に備えるもの。第三者機関による原因調査を行うことで公正中立性を確保している。構造・防水に係るメンテナンスやリフォーム工事、さらには補修工事中に転居が必要な場合は最大10万円をサポートする。独自で長期保証を導入することが難しい地域の住宅事業者でも、同サービスを活用することでユーザーに対して安心を提供でき、信頼につなげることができる。
(一社)MEASは「工務店とともに成長する」(田中俊行代表理事)ことを前提とし、一般社団法人として営利追求とは一線を画している。こうした考え方に基づき、「スマイノミライ」を活用する事業者に対するサポートの充実に力を入れている。
住宅事業者にとっては、長期保証を導入しているということを知ってもらうことが重要であり、特に近年ではWEBでの告知がなくてはならないものとなっている。しかし、サイトの更新には手間暇やコストがかかるため、すぐに取り組めないこともある。そのためMEASでは、構造や防水の保証内容、定期点検のスケジュールなどを解説するアフターサポート・保証の特設ページを作成、そのデータを無償で提供するサービスを開始した。一定の形式を用意するが、工務店へのヒアリングを踏まえてカスタマイズにも対応できる。
また、より理解しやすくアピールするためのツールとして動画も作成、工務店の社名やロゴを入れた動画データを無償で提供している。工務店はウェブサイトへの掲載やYouTubeへのアップなどで活用できる。すでに「スマイノミライ」と「セツビノミライ」についてはデータ提供を開始、現在、「スマイノカケツケ」についても作成中だ。
設備保証をさらに充実
リフォームにも対応
「セツビノミライ」は、「スマイノミライ」を導入する工務店が活用できる設備保証サービスで、引き渡しから10年間、自然故障であれば何度でも無償で修理できる。24時間・365日体制のコールセンターで故障連絡を受付けてから最短で修理の手配を行う。対象設備は、給湯器、システムキッチン、システムバス、洗面化粧台、温水洗浄便座2台の5機器・6点で、2万9810円という低価格であることが大きな魅力となっている。
(一社)MEASは、当初、「スマイノミライ」のみを扱っていたが、地域工務店には大手ハウスメーカーと競合する会社もある。その大手ハウスメーカーは建物長期保証だけでなく設備保証なども行っていることから「セツビノミライ」を開発、「スマイノミライ」を導入する工務店に対しての提案を始めた。
この「セツビノミライ」をリフォーム市場にも展開する。今、新築市場が厳しい状況にあるなか、リフォームに力を入れている地域工務店は多い。こうした事業者に向けてのサービス拡充だ。
具体的には、新築向けの5機器6点を細分化し、食洗機だけ、温水洗浄便座1台だけでも申込できるようにする。また、エアコンや換気扇なども1台単位で選ぶことができる。あくまで「スマイノミライ」を導入する事業者向けであり、設備保証をそれだけで販売するわけではない。
また、「セツビノミライ」の保証期間を短くして価格を抑える保証サービスの開発も進めている。今、資材の高騰などによりコスト管理は従前以上に厳しくなっており、設備保証を導入したくてもできないという工務店が増えているという。こうした事業者がユーザーに対してアフターサービスを提供できるように、低価格のサービス開発を進めているものだ。
「セツビノミライ」の価格は2万9810円と一般的な設備保証に比べて格安の価格設定となっているが、この10年の保証期間を5年間に短縮することでさらに価格を抑える。金額設定は未定であるが、24年の1月をめどに提供を開始する予定だ。
コールセンターのサービス拡充など新たな取り組みを積極化
「セツビノミライ」の一つの特徴が、24時間・365日体制のコールセンターで対応を行うことであるが、そのコールセンターのサービスをより強化する。工務店のアフターサービスの負担は年々増えている。「工務店自身が直接お客様と相対することが理想だと考えているが、それが負担となり本来の事業に影響するのであれば本末転倒」(田中代表理事)と、(一社)MEASが顧客の問合せの一次受付ができればその負担を軽減することができるとの考えだ。例えば、建具の調子が悪い、リフォームを考えているなど、ちょっとした問合せや相談について、コールセンターが一次窓口となって受付け、ヒアリングを行って工務店にフィードバックする。
また、顧客からの問い合わせや相談は休日に関わらず入ることもあり社員の負担にもなりかねない。人材確保が厳しくなるなか、働き方改革の観点からも負担軽減に役立ちそうだ。
現在、コールセンターのサービス拡充に着手したところであり開始時期は未定だが、できるだけ早く導入したいと考えている。
このほか(一社)MEASでは、工務店のさまざまな課題の解決に向けて新たなサービスの開発を検討している。例えば、工務店が使いやすいOB顧客向けのアプリ開発もその一つ。さまざまなアプリが開発され、提供されているが、ダウンロードしてもらえないこと、また、使い続けてもらえないことなど課題は多い。また、OSがアップデートされるたびにメンテナンスが必要で、セキュリティの問題もある。「アプリにかかるコストは、永続的に工務店やお客様に跳ね返ってくる。本当に工務店とお客様に喜ばれるアプリとは何かをまずは考えたい」(田中代表理事)と、その検討を進めている。
工務店をめぐる環境は大きく変わりつつある。こうしたなかで工務店が生き残り、成長していくためには何が必要か――(一社)MEASは、工務店が求める新たなサービスの開発に積極的に取り組んでいく考えだ。
(一社)MEAS
TEL:03-6264-9631
https://www.meas.or.jp/
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