2023.10.24

京セラ、環境価値を提供する再エネ電力供給ビジネスに参入

電力調達元に新たに住宅向け定額サービスも開始

再エネ電力の調達から販売までをワンストップで行う再エネ電力供給ビジネスに参入。電力の供給元として戸建住宅向け定額サービス、オンサイトPPAも新たに開始した。

太陽光発電システムによる再生可能エネルギーの電力調達・需給管理・電力販売をワンストップで一貫して行う「再エネ電力供給ビジネス」に参入した。

「集合住宅」、「オフサイトPPA」、「オンサイトPPA」、「住宅向けエネルギーシステム定額サービス」という、すべて同社製の太陽光発電システムを使用した供給元から電力を調達、これを同社の工場や事業所、また、再エネを必要とする外部企業へ販売する。電力供給元すべてが自社製パネルによる発電であるビジネスモデルは国内初となる。さらに需要家が複数の電気事業者から電気の供給を受ける「部分供給制度」の活用も国内初だ。同社は1975年に太陽光発電の研究開発を開始、システム設計、機器調達、建設・施工、運営・メンテナンスなど再エネ発電事業の知見も豊富で、これらのノウハウを生かして企業に再エネ電力を販売する。

電力供給元である「集合住宅」は、今年3月に電力買取契約を締結した大東建託のZEH賃貸集合住宅からのもの。京セラ製太陽光発電システムで発電した電力は入居者が利用し、余剰電力を買い取り活用する。「オフサイトPPA」は、農業用貯水池、遊休地などの太陽光発電所を設置、発電した電力全量を京セラが活用する。「オンサイトPPA」は、この10月から新たに始めたサービスで、企業が工場などに初期投資なしで太陽光発電システムを設置、導入企業はサービス料を払うことで再エネ電力を自家消費し、余剰電力を京セラが需給管理して活用する。

戸建住宅で太陽光と蓄電池を初期投資なしで導入

ハウスマイルイーは3年間で2万戸の契約を見込む

4つ目の電力供給元の「住宅向けエネルギーシステム定額サービス」は、同社が今年10月から新たに開始した戸建住宅向けの「ハウスマイルイー」のこと。毎月定額料金を支払うことで同社製の高品質・長寿命の太陽光発電システムと、長寿命で高い安全性を実現した世界初のクレイ型リチウムイオン蓄電システム「Enerezza(エネレッツァ)」を初期投資なしで導入できる。

契約期間は10年もしくは15年で、契約終了後は太陽光発電システムと蓄電システムは契約者に無償譲渡、定額料金の支払いなく電力利用が可能になる。

太陽光発電システム、蓄電システムそれぞれ容量別に3プランを用意し、組み合わせて導入が可能。太陽光発電だけでなく蓄電システムとセットとすることで、昼間に発電し余った電力を蓄えることができる。さらに余った余剰電力を京セラが需給管理を行い、需要家へ供給、再エネ電力を無駄なく活用する。同社では、この「ハウスマイルイー」の目標として3年間で2万戸を掲げる。

「企業は環境価値を手に入れることに大きく踏み出している。今後、さらに企業活動において再生可能エネルギーを使うことが一般的になってくる」と再エネ電力供給ビジネスへの参入の意図を語る。同社では、3年間で200GWは入手できるのではないかと、電力調達量を見込んでいる。