2023.9.28

YKK AP、ドアリモ玄関ドアD30をリニューアル

三方で太さの違う額縁でも自由に組み合わせが可能

リフォームドアの「ドアリモ 玄関ドア D30」をリニューアル。額縁サイズを自由に組み合わせられるようにし、額縁の太さが異なる既設ドアへの対応力を向上した。

新築戸建の着工がピークだった約27年前に建てられた住宅がリフォーム期を迎え、玄関ドアのリフォーム需要が伸びてきている。特に、施工が短時間で簡単に行えるカバー工法での改修は年々増加してきており、22年度のドアリモ全体の出荷実績は、シリーズ最初のドアリモ玄関ドアを発売した15年度比で263%まで伸びてきている。こうした背景を踏まえ、施工性や納まりを向上し、これからのドアリフォームのトレンドに対応するため、ドアリモ玄関ドアD30をリニューアルした。

今回のリニューアルの一番のポイントが、額縁の上と縦の太さを自由に組み合わせられる点だ。これまでは、嵌合部分の幅がサイズごとに決められており、違う太さの額縁同士では組み合わせができなかった。枠の太さが異なる場合は一番太い部分の額縁にサイズを合わせなければならず、余分な見付け部分を現場でカットする必要があった。同社は、21.50サイズ、80・100・135サイズで嵌合部分の幅を統一することで、業界で初めて上、左たて、右たてのサイズをそれぞれ選択することを可能にした。これにより、現場カットが不要になり施工時間を短縮するほか、余分に太い枠を使う必要がなくなり意匠性の向上にもつながる。

リフォームトレンドを見据えて商品強化
22年度の2倍以上の売り上げを目標に

また、今後のリフォームトレンドを見込んだ仕様変更も行った。ひとつが、フラット枠の追加だ。2000年に品確法が施工されて以降の住宅では、バリアフリーの観点から玄関ドアの下部に段差のないフラット納まりが主流になってきた。これに対応して、段差のあった従来品の標準枠に加え、フラット枠をラインアップ。現場カットを削減し、約15~30分の施工時間短縮につなげる。

リニューアルで「ドアリモ玄関ドア D30」に追加するフラット枠。段差部分のカットがいらず施工時間を短縮する

もうひとつが、半外付け用ブラケットの取付済出荷だ。住宅の外壁にサイディングが使われるようになってから、ドア枠を取り付けた後に外壁を貼る半外付型用の枠が一般化しており、同社の出荷実績では、98年以降の住宅で半外付型用枠の玄関ドアが100%となっている。一方、これまでドアリモ玄関ドアでは、既設内付型用枠のみを標準品で取り扱っており、半外付型用枠のドアに関してはオプションで半外付用ブラケットを選択し、現地で取り付けていた。このブラケットは親子ドアの場合で1セットあたり最大17個を要する。工場で半外付用ブラケットを取り付けた商品を標準品として設定することで、半外付型の玄関ドアでも施工が簡単になった。

合わせてドアリモ勝手口ドアもリニューアル。ドアリモ玄関ドアD30と額縁を共通化、防犯性を高めるため屋外側にシリンダーのない商品の追加などを行った。額縁の共通化については、これまでは新築の部品を加工してドアリモの部品を製造していたため難しかった。しかし、需要の増加からリフォーム専用部品を製造できるようになり、共通化が可能になったという。

同社の住宅商品企画部 山田司部長は、リフォームドアの目標について「24年度のドアリモ全体の売上目標は93.6億円で22年度から2倍以上を目指している。今後は防火商品などを強化していきたい」と意気込みを語った。