三井不動産レジデンシャル、ALL木造、ZEH-M Readyの賃貸マンションを竣工
国際環境認証のLEED認証などを取得
三井不動産レジデンシャルはALL木造の賃貸マンションを竣工した。木材を使用することで建築時のCO2を大幅に削減し、国内の賃貸マンション初となるLEED認証のゴールドランク予備認証を取得している。
三井不動産グループ初となるALL木造の賃貸マンション「パークアクシス北千束MOCXION」を8月31日に竣工した。4階建て33戸で、断熱性能はZEH-M Readyを達成、非営利団体USGBC(U.S. Green Building Council)が開発・運用する国際的環境認証「LEED認証」のゴールドランク予備認証を国内の賃貸マンションで初めて取得した。
三井ホームが手掛けるサステナブル木造マンションMOCXIONの技術を採用し、全フロアの構造部材に木を使用している。構造材に木材を使うことで、鉄筋コンクリート造と比較して建築時のCO2排出量を約50%削減でき、壁式構造で柱や梁が少ないため空間を広く使うことができる。同様の構造を採用した物件入居者からは、「角に柱がないと家具レイアウトがしやすい」と好評だという。空間の有効利用という点では、4階の一部住戸にロフトを設置。140㎜の芯材(EPS)を構造用面材(OSB)でサンドイッチした高性能屋根断熱パネルの「ダブルシールドパネル」を採用しているため、熱のこもりやすいロフトでも快適に過ごすことができる。また、木造住宅で課題となるのが防音性能だが、壁には吸音のためのロックウールを充填し、約290㎜と厚さを持たせ、床はパーティクルボードとゴム材からなる制振パッドを並べた上に遮音マットを貼り二重床にすることで、RC造に匹敵する遮音性能を確保した。
また、オール電化で非化石証明書付きの再生可能エネルギーを一括受電し、CO2排出量の実質ゼロにも取り組んだ。屋上には54枚の太陽光パネルを設置し、共有部の電力に使用するほか、共有ラウンジに設けた非常用コンセントで緊急時の電力確保にも役立てる。これにより棟全体で再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を基準から33%削減、再生可能エネルギーを加えて50%削減しており、BELSに基づくZEH-M Readyの評価を取得した。
外観には木目のバルコニースラブと縦型のルーバーを取り入れた。木目調デザインを配置した1階エントランス、共用ラウンジ、廊下などとの連続性を意識し、建物全体で木を感じられるデザインにしている。
賃料は相場より1割ほど高く設定しているが、竣工前から申し込みが入るなど順調に入居者が決まっている。8月10日から募集を開始しており、9月5日時点で申し込みは3件前後だとした。賃貸住宅事業部事業室 三留秀成室長は「市場にどのような効果をもたらすか、業界にどのようなインパクトをもたらすか楽しみにしている」と、社会的に環境意識が高まっているなかでの試金石としての同物件の反響を期待する。
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