ポラテック富士、静岡で木造スーパーマーケットの構造設計
小規模非住宅の需要開拓に注力
ポラスグループのポラテック富士が構造設計を手掛けた静岡県の木造スーパーマーケットがオープンした。こうした小規模非住宅の需要が高まっており、需要開拓に力を入れる。
杉山一級建築設計事務所(杉山宣之代表取締役)が設計、ポラスグループのポラテック富士がプレカット材の提供と構造設計、構造計算を手掛けた木造のスーパーマーケット「マックスバリュエクスプレス小山須走店」(静岡県小山町)がオープンした。
「マックスバリュ」はイオングループのスーパーマーケットで、都心型小規模店舗に用いられるブランドが「マックスバリュエクスプレス」だ。今回、同店を計画したマックスバリュ東海(静岡県浜松市)が、小山町からの提案やSDGsの観点から杉山一級建築士事務所に木造の設計をオファー、杉山氏は木造と鉄骨をそれぞれ設計し、若干木造の方がコスト高だったものの、最終的に木造で建設することを決定した。マックスバリュ東海にとって初の木造平屋建て店舗である。
杉山氏は、木造は住宅程度で、非住宅については鉄骨をメインに設計していたことから、構造計算などをポラテック富士に依頼した。
「小山須走店」は、延べ床面積535.43㎡(直営売場面積396㎡)。柱、梁、小屋束にレッド集成材、一部大きな柱には米マツ集成材を用いた。梁せいは一番大きなもので660㎜である。また、土台にはヒノキKD材を使用した。基本的に在来工法で、大梁にピン工法を用いている。材の加工はポラテック富士が行い、施工は地域のゼネコンが担った。
設計上で留意したことは、できるだけ木を現しで見せることで、内装制限にかからないような工夫を施しながらできるだけ梁などを見せるようにした。エアコンの吹出口も木製の既製品を活用している。
また、マックスバリュ東海の指定で、入口を入ってすぐの11~12mのスペースは梁をとばした空間とした。逆に店舗奥のスペースは商品ラックを置くことから柱を設置しコストを削減した。設計段階では野地板も見せる、20数mをトラス架構として柱をなくす、地域間伐材を使用するといった案なども検討されたが、防火などの規制の関係やコストなどで見送った。
ポラテック富士は、同店舗で利用した木材に係る炭素貯蔵量などの資料をまとめマックスバリュ東海に提出。マックスバリュ東海にとって初の木造店舗であるが、木現しの内装や木の匂いなどが好評で、今後の店舗づくりの選択肢として検討していくという。
ポラテック富士は、最近、非住宅に関する問い合わせが増加、特に50坪程度の大きさで、住宅の延長線上として設計できるものが多いという。以前は幼稚園や保育園などが多かったが、少子化などの影響で需要が減退、代わって小規模店舗の需要が高まっている。同社では「低層の1~2階、もしくは3階建てまでの木造を増やしていきたい」(富士非住宅推進課・望月宏真係長)と、需要開拓に力を入れていく考えだ。
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