“アフターサービスDX”で住宅事業者にさらなる価値を提供
修理や点検などリアルなサービスに加え、デジタル化を通じて事業者のアフターサービスを支援
リアルとデジタルを融合して独創的な価値を創出する「WorthTech Company」を標榜する日本リビング保証。住宅市場が大きく変わりつつあるなか、事業の柱である保証を核にどのような事業戦略を描くのか―安達社長に聞いた。
──昨年8月、創業15期の節目に、リアルとデジタルで独創的なサービスを生み出す「WorthTech Company」として「資財価値を最大化する」という姿勢を明確に打ち出しました。リブランディング前後の変化と事業状況について教えてください。
「WorthTech Company」とは、あらゆる製品、サービスのライフサイクルを支える基盤を提供し、新たな価値を創出する企業であり、モノやサービスの価値を高めるなかで、良いものを長く愛せるような社会を実現する企業となることを宣言したものです。
事業内容として、私たちは大きくHomeworthTech事業とExendTech事業を2本の柱として展開しています。HomeworthTech事業は住宅設備保証、建物保証、地震保証などを中心に順調に成長をしており、ExtendTech事業は再エネ関連機器の保証など、新規の事業者様からの受注が増えており対前年比で大幅に成長しています。
HomeworthTech事業にフォーカスすると、近年では資材価格など原価が高騰するなか、住宅事業者様にとってはコストが従来よりも大きな問題となっていると認識しています。コスト増となっている中で私たちのサービスを導入していただく為にはアフターサービスの充実が販売力強化につながるということを理解していただく必要があります。
私たちのビジネスは「B for B」だと思っており、お客様の売上げや利益に貢献できて初めて事業が成り立つ。常にその部分を検証し、サービス導入がどれくらいの効果があるのか、どのように導入すれば一番効果的であるかなどをご案内しています。こうした姿勢が今の結果につながっているのだと思います。
保証は収益の柱であり、最終的なマネタイズの手段ですが、この保証サービスを運用するためのオペレーションのノウハウや、金融、そしてデジタル的な要素を組み合わせ、ソリューションを提供することを常に考えています。例えば、家のメンテナンスを起点に顧客との長期的な関係構築をサポートすることで既存顧客マーケットからの収益化の機会を提供するなど、クライアントのお役に立ちながら、最終的に保証を導入していただくという流れです。これはあくまで一例ですが、保証単体ではどうしても価格競争になりがちな中、金融ソリューションやデジタルプロダクトを組み合わせパッケージとすることで付加価値を提供しています。
リアル+デジタルで
住宅事業者様のアフター事業を支援
──既存顧客マーケットへのアプローチについて、具体的に教えて下さい。
アフターサービスを充実させることは顧客満足度を高め、新規顧客の紹介に寄与するほか、リフォームやメンテナンスなど二次的な商流形成にも役立ちます。
しかし、住宅事業者様にとっては目の前の新築受注に比べたら手間もかかるし、マネタイズがいつになるのかもわからないことから、手が回らないというお話をよくお聞きします。
その部分について、私たちが色々な仕組みの提供を通じてお手伝いすることで、住宅事業者様は新築受注に専念したまま、大きな負担をかけることなく既存顧客との関係構築が実現できるようになります。例えば、昨年から今年にかけて「おうちマネージャー」、「おうちLiveアシスト」、」「おうちアルバム」という3つのデジタルプロダクトの提供を開始しましたが、これらはデジタルツールを通じて既存顧客へサービスを提供するアプリです。
中でも特に「おうちマネージャー」の導入が進んでおり、特色である電子マネーでの修繕積立の他、アプリからポイントを利用して二次発注ができる仕組みを提供しています。
他にも、チャットボットと住宅に精通した有人スタッフ対応を組み合わせた住宅特化型のハイブリッドコンタクトセンターで不具合などの相談を受け付け、住宅オーナー様からのご相談や当社点検スタッフが点検風景を動画で撮影し、専用のモバイルアプリを通じて点検結果を提供するインスペクションサービスなど、住宅事業者様の業務効率化と住宅オーナー様の利便性を高める独自のサービスを提供しています。
これらの取り組みのポイントは、デジタルだけで完結するのではなく、DXサービスをうまく従来のリアルなサービスと組み合わせていることです。
例えば、ハイブリッドコンタクトセンターはチャットボットと有人スタッフ対応を組み合わせたものですが、これは人が担う部分が大きな価値であり、必要に応じて常駐の建築士が即座に的確に対応します。デジタルによる自動応答ではまだまだカバーしきれない部分に人の受付を組み合わせることで効率よく対応ができると考えています。
こういったさまざまなサービスを取り揃えた上で、事業者様のニーズをくみ取り、一緒になって実現に向けてお手伝いできることが私たちの強みです。
更に、当社は金融にバックグラウンドを持った社員が多く、各種サービスに保証や金融商品を組み合わせるサービスの組成が非常に得意でこれは私たちの武器であり、大きな特徴です。電子マネーを使った積立制度、保険や保証を組み合わせて付加価値を高めたサブスクリプションの仕組みなど、既存顧客向けのソリューションを提供しています。新築の着工戸数が減るなか既存顧客へのアプローチに取り組む事業者は多く、その業務の効率化とともに住宅オーナー様の利便性を高めるさまざまなサービスを、今後より積極的に提供してまいります。
──住宅市場の環境が変わるなか、保証事業という大きな柱は育てながらも、ストック分野を拡大していくということですか。
新築住宅を手掛ける住宅事業者様にどれだけ私たちのサービスが広がっているかを考えると、保証事業にはまだまだ可能性があると考えています。
その一方で、新築住宅市場が中長期的には縮小していくとみられるなか、我々自身も既存顧客マーケットへのアプローチを次の大きなテーマに位置付けており、事業者様にメリットのある新たなサービスを開発し続けることが重要だと考えております。
──新たなサービスを開発、拡大していく上で今後の課題は?
サービスの充実とあわせ、組織体制の強化が非常に重要な課題だと考えています。私たちは単にサービスを提供するのではなく、事業者様と一緒になって次の戦略を考える、いわばコンサルティング型の提案を重視しています。
有難いことに予想を超えて新規事業者様が増えるなか、お客様に満足いただけるようカスタマーサクセス部門の拡充に力を入れています。
事業者様ごとにニーズは異なる中で、クライアント様の関心事にアンテナを張り続けお客様が何を求めているかをしっかりと把握し、対応をする。当たり前のことですが、この部分はデジタルではなく人によるコンサルティングに重点をおいて取り組んでいきたいと考えています。
B for Bの精神で事業者様に対して価値を提供し続けることをこれからも愚直に進めてまいります。
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