[ケイミュー]フラットパネル、リアルな質感を二軸に商品開発
住宅の外観トレンドの変化に対応
ケイミューは住宅外観のトレンドに合わせ2つの柱で商品を提案する。不均一な意匠で1棟ごとに異なるデザインを実現するフラットパネルや、深彫りの造形と加飾表現で生み出すリアルで自然な質感に注目が集まる。
商品企画・技術開発部総合商品企画グループの大段圭子氏は、「環境共生やサステナブルというワードが社会的に注目を浴びるなか、住宅の外観トレンドも従来のシンプルさに加え、素材感や自然な雰囲気のあるもの、暖かみや揺らぎのあるデザインの人気が高まるとみている」という。
こうした背景もあり、同社は「風合いのあるフラットパネル」と「自然素材に迫る質感」の二軸でサイディングの開発を進めてきた。
「風合いのあるフラットパネル」の先駆けといえるのが2017年に発売した内装材「SOLIDO typeF coffee」だ。同商品は木や石、鉄を使った壁材があるようにセメントの素材を生かした壁材があってもいいのではないかという建築家の声から誕生した。着色塗装せずにセメント本来の質感を出すことで、唯一無二のデザインとなる。さらに、19年にはフラットなセメント板を様々な素材の表情に描き分けた外壁材「フィエルテ」を発売。「SOLIDO」、「フィエルテ」が代表するような不均一なデザインや風合いのあるパネルは、高い評価を得ており、同社はこうしたデザインの外壁を進化させていきたい考え。
こうしたなかで、22年に「シンプルドット」を、23年に「グラフィル」を相次いで発売した。
新商品の「グラフィル」は、フラット×ダイナミックをテーマに、絵画のようなタッチのフラットパネルだが、その最大の特徴が1品番の中に3つの異なるデザインをランダムに梱包していること。パネル間で不揃いなデザインが動きを生み、同じカラーでも建物1棟ごとに異なる意匠を実現する。
同社は「グラフィル」、「シンプルドット」、「フィエルテ」の3つを「FLAT DESIGN PANEL」としてシリーズ化。設計士や建築士が関わるような高級層の住宅向けに打ち出している。
そのほか、フラットパネル系の商品ではないが、窯業系サイディングとは違う個性を求める層へ向けて、屋根と外壁をシームレスに仕上げられる「LAP-WALL」も展開している。
影を魅せる深彫りデザインと
加飾表現で自然素材へ近づける
「自然素材に迫る質感」では、「光セラ18」の18㎜厚を生かした深彫りの造形と塗装技術の組み合わせでよりリアルな質感を目指す。例えば22年に発売した「オーバルストーン」は、加飾が映える浅めのテクスチャーに影を創出する深彫りを組み合わせることで自然な風合いを表現し、重厚感とモダンな印象を両立した。
自然素材は風合いのある質感が特長だが、なかには紫外線に弱く新築後数年で劣化してしまうものもある。そこで同社が提案に力を入れているのが「光セラ18」だ。「光セラ」は、太陽の力で汚れを分解して雨で洗い流すセルフクリーニング機能を持ち、色あせにも強く、新築時の状態を長くキープ。その上位グレードの「光セラ18」は色40年品質という優れた耐候性、抗菌・抗ウイルス機能も備えており、住宅の高機能化、長寿命化に貢献していきたい考えだ。
ケイミュー
TEL.0570-005-611
https://www.kmew.co.jp/
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