2023.8.2

パナソニック ハウジングソリューションズ、分譲マンション向けバスルームの累計出荷数が50万台突破

非住宅向けにも注力し30年度80万台を目指す

分譲マンション向けユニットバスルーム「i-X」シリーズの累計出荷台数が50万台を突破した。今後はホテルなど非住宅向けの販売も強化し、30年度に80万台を目指す。

「i-X(イークス)」は、同社とプロダクトデザイナーの深澤直人氏が共同企画・開発し2007年に発売した分譲マンション向けユニットバスルーム。「美しい防水の部屋」、「ストレスオフ」、「余計なものをなくす」の3つをキーワードに設計した。標準のNS(ニュースタンダード)に加え、15年には意匠性を高めた高級仕様の「INTEGRAL(インテグラル)」も発売している。

ホテル向け販売を強化し、30年度に「i-X」シリーズの累計出荷台数80万

不動産経済研究所によれば、分譲マンションの販売戸数は「i-X」発売当初の13万3670戸から22年度には7万2967戸にまで減少している。こうした市場縮小のなかにおいても「i-X」は安定した出荷を続けており、22年の出荷台数は約2.5万台と市場シェアは30%を超える(同社調べ)。そして、23年6月に累計出荷台数50万台を突破した。

同社水廻りシステム事業部では、全国の営業所から連結販売会社や代理店を通じて工務店、ビルダー、ハウスメーカーなどの顧客に製品を販売する「営販」と、営業所を通さず直接顧客に製品を販売する「直販」という2つの販売ルートを設けている。

「i-X」は、直販ルートをメインに販売を行っており、パートナー会社のパナソニック建設エンジニアリングが直接マンションデベロッパーに製品提案を行うことで、高い採用率を確保。22年度の分譲マンション販売戸数7万2967戸のうち、84%にあたる6万1292戸は上位60社のデベロッパーが供給しているが、その60社のうち「i-X」を採用している会社は47社(78%)と約8割にのぼる。シンプルなデザインによる飽きの来ない美しさが好評を得ているという。

マンション市場の変化に対応
狭小化・高級化に合わせた新提案

長谷工総合研究所によれば、22年の首都圏全体の分譲マンション単価は前年比1.6%増の95万1000円/㎡、平均面積は同1.1%縮小の66.12㎡で、平均価格は同0.4%増の6288万円。単価、平均価格共に過去最高を更新した。こうした近年の物価高騰によるマンションの狭小化・高級化に対応するため、22年には「i-X」に上質感と開放感を与える新部材を追加した。

新たな壁材「マーブルコレクション」は、石目柄がアートのような美しさを表現し、高級感溢れるバスルームを演出、物件の付加価値向上に寄与する。また、額縁のような美しいドアフレームが特徴の「リフレイムドア」は、洗面所とバスルームをシームレスにつなぎ、コンパクトな空間も広く見せることができる。

「i-X」は23年時点で約70施設のホテルへの納入実績もある。「コロナ収束によってさらに増加が見込まれるインバウンド需要や25年に開催される大阪・関西万博などを追い風に、ホテル建設はますます増加することが予測される。今後はホテルなど非住宅向けの販売にも注力することで、30年度に累計出荷台数80万台を目指す」(水廻りシステム事業部・直需推進部・三好敦部長)方針だ。