中央住宅、東大の教授室・学生居室をリノベーション
住まいづくりのノウハウで新たな研究室のあり方を提示
東京大学の教授室・学生居室をリノベーションした。快適な研究環境づくりを求める竹内教授のリクエストに応え、住宅づくりで培ったノウハウを生かした新たな研究空間のデザインを提示した。
ポラスグループの中央住宅が、東京大学大学院理学系研究科の竹内春樹教授の教授室と学生居室のリノベーションを行った。築63年になる弥生キャンパス理学部3号館の無機質な作業空間に、「共室」をコンセプトとする「住空間」の発想を持ち込んでデザイン、教授と学生のコミュニケーションの活性化、また、集中力の向上などを目指した新たな空間を実現した。
竹内教授は「研究者は好きなことをやっているから清貧で、学生時代は苦しむものだという固定観念があり、未だにぎゅうぎゅう詰めで研究を行っている。特に生物系の研究室は研究室にいる時間が非常に長く、自宅は寝るためだけに帰るようなもの。それだけに研究室の環境がライフに係る。できるだけ長く居たいという環境をつくることが、教授としての最初の仕事だと考えていた」と、教授になったのをきっかけに中央住宅に相談を持ち掛けた。中央住宅はオリジナルの国産杉パネル「SUGINOKA(スギノカ)」を2017年に商品化しているが、この公民学の連携による研究開発に、当時、助教授であった竹内教授が参画していたという縁があった。
中央住宅はリフォームを手掛けるグループ会社である、ポラスのリフォーム(埼玉県越谷市、中内啓夫社長)との共同プロジェクトとして取り組んだ。打ち出したコンセプトは教授と学生が共に過ごす「共室」。大学の空間のなかにリビングやダイニングなど居室的な空間をつくることで快適に長い時間を過ごせるのではないかと考えた。「新築分譲とリフォームが初めて組んで住宅ではないリフォームを行った。教授室や研究室も人が過ごす場所という意味では変わらない」(中央住宅 戸建分譲設計本部設計一部 野村壮一郎氏)と、住宅づくりのノウハウを生かした提案が行われた。
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