リンナイ、乾太くんの累計販売台数が100万台突破

デラックスタイプをフルモデルチェンジ

ガス衣類乾燥機「乾太くん」の上位モデルである「デラックスタイプ」を10年ぶりにフルモデルチェンジした。短時間乾燥という魅力をそのままに、大容量化、高付加価値化を図った。累計販売台数が100万台を突破し、さらなる販売拡大に注力する。

リンナイがガス衣類乾燥機「乾太くん」のデラックスタイプをフルモデルチェンジして発売した。

「乾太くん」は、ガスならではのパワフルな温風により短時間で乾燥することができることが大きな特長。1992年の発売と30年近いロングセラー商品で、累計販売台数は今年7月に100万台を突破した。特にここ4~5年の販売が好調だ。近年、共働き世帯が急増したことから家事の時短ニーズが強まり、タイムパフォーマンス重視の暮らし方が広まっている。さらにコロナ禍に家族の家事参加が増加、住宅におけるランドリー空間を重視する提案も活発だ。こうしたなか販売数は年間約10万台超えで推移している。

「乾太くん」は92年に4㎏タイプを発売、97年には3㎏タイプを追加した。当時は共働き世帯もそれほど多くはなく、女性の社会進出が始まった頃。家事負担の軽減の視点から「女性の味方」というコンセプトで提案を進めた。生活スタイルの変化に伴って洗濯機の容量が大きくなるなか、2000年に5㎏タイプを追加、2018年に8㎏タイプをリリースした。現在、ファミリー向けでは8㎏がボリュームゾーンとなっている。

こうした進化の一方で、2013年に「デラックスタイプ」(5㎏)を発売した。それまでの「スタンダードタイプ」のフィルターを手前に配置し手入れしやすくするとともに、扉を手前倒しとして使い勝手を高めた製品だ。この「デラックスタイプ」は特に女性から好評であったが、同時に「デラックスタイプで大容量な乾太くんを」という声が多く寄せられていた。

こうした声に応え、リンナイは「乾太くん デラックスタイプ」を10年ぶりにフルモデルチェンジし、6㎏と9㎏の2タイプを発売、洗濯の大容量化に応えた。

乾燥時間にこだわり
設置環境の変化にも対応

モデルチェンジで一番こだわったのが乾燥スピードだ。乾太くんの最大の魅力がガスによる温風ならではの速乾性で、ユーザーの満足度でも一番評価を得ている。新「デラックスタイプ」は6㎏の衣類を約60分(9㎏は約90分)で乾燥でき、電気ヒートポンプ式の3分の1の時間で済む。これまでの5㎏の乾燥時間は約52分であり「6㎏で61分ではダメ」(営業本部営業企画部 伊藤敬一次長)と時間には強くこだわった。洗濯にかける時間を大幅に短縮でき、仕事から帰ってきて寝るまでの間に洗濯+乾燥することが可能だ。

デザインも大きく変更。機能的かつ質感にこだわったダイヤル式の操作パネルを採用し、設置方法の多様化に対応して上部操作パネル仕様をラインアップした。これまで洗濯機の上に「乾太くん」を設置することが多かったが、重い洗濯物を持ち上げるのが大変、フィルター掃除が面倒といったユーザーが増え、洗濯機の横に置くケースが増えてきた。家事動線が重要視され、ランドリールームやユーティリティルームに面積を割くなど住宅プランの変更もこうした変化を促しているようだ。横に置く場合は操作パネルを右下ではなく右上に配置して洗濯機と同じ感覚で操作できるようにするなど、細かな点にも配慮した。また、オプションで「直角エルボ」を設定、排湿管が天井や天板に接触してしまう設置環境でも、本体上部の必要高さを現行の945㎜から800㎜へと縮小することができる。

使い勝手の点では、フロントアクセスのボックス型フィルター変更も大きな見直しだ。新設計の糸くずフィルターは、ワンタッチオープンのボックス型形状で、糸くずポケットがなくなり、手入れがさらに簡単になった。さらに、この変更はデザイン性の向上にも寄与。従来のフィルターはその大きさから開いた時のデザインを犠牲にせざるを得なかったが、本体側に隠すように配置したフィルターによりすっきりとしたデザインとなった。「扉を開けた時にもスタイリッシュであるべき」(伊藤次長)とのこだわりが現れた部分だ。また、この変更によりドラムのなかで衣類が回っている様子を見ることができるようになった。ユーザーから「動いているのを見るとモチベーションが上がり、また使いたくなる」という声もあるそうで、「中を見せる」ことが開発陣の隠れテーマであったという。

機能的かつ質感にこだわったダイヤル式の操作パネルを採用。新たに上部操作パネル仕様もラインアップした
新設計の糸くずフィルターは、お手入れがさらに簡単になっただけではなく、デザイン性の向上にも寄与
乾太くんをドラム式洗濯機の横に並べる設置方法も人気。リンナイでは問い合わせの多い設置図面をWebで公開している

乾燥+αの価値を創出
マンションの標準装備も

新しい取り組みとしては、給湯器や床暖房が操作できる「リンナイアプリ」に対応、利便性をさらに高めたことがあげられる。アプリに「乾太くん」を登録することで、スマートフォンで残時間の確認や完了通知を受け取ることができ、複数の家事をこなさなければならないような忙しい時、いちいち見に行かなくてもスマホから確認できる。一方、「リンナイアプリ」は新たに「乾太くん」が加わったことで、さらに満足度の高いサービスへと進化した。

10年前から搭載しているプラズマクラスターも新たなデバイスへと交換、発生するイオン量は1・5~2倍となった。また、除菌・消臭効果で衣類をリフレッシュできる。運転コースは「除菌・消臭コース」以外に「クリーンコース」、「花粉ケアコース」を設定。温風を出さずプラズマクラスターイオンだけを出す「クリーンコース」は、熱に弱い衣類や革靴、小物などの消臭が可能だ。「花粉ケアコース」はプラズマクラスターイオンに加え、ドラム回転と送風により衣類に付着した花粉を取り除く。

採用が右肩上がりに伸びる「乾太くん」。新築・既存の戸建住宅での採用はもとより、近年はマンションデベロッパーが標準装備する例も増えているという。今後、分譲住宅での採用拡大にも期待がかかる。

7月10日には特設ホームページを開設、TVCMをスタートするなど、販売拡大にさらに注力する考えだ。

リンナイWebサイト
https://www.rinnai.co.jp/

乾太くん専用Webサイト
https://rinnai.jp/lp/kanta/