物流の2024年問題へ急ピッチで対応
中継輸送などでドライバーの負担軽減へ
物流業界におけるドライバーの長時間労働の深刻化を背景に、2024年4月から自動車運転業務の時間外労働の上限が年間960時間に制限される。これにより、ドライバー不足や運賃の値上げ、輸送能力の縮小など深刻な問題の発生が懸念されている。この「物流の2024年問題」への取り組みが住宅産業界において急ピッチで進んでいる。
デンソーなどの異業種7社は7月10日~14日に幹線中継輸送サービス「SLOC」の実証実験を行った。デンソー、アスクル、エレコム、タカラスタンダード、三井倉庫ロジスティクス、安田運輸、大和ハウス工業の7社が参加し、ドライバー一人当たりの拘束時間の短縮などについて検証。幹線中継輸送とは、一つの行程に中継地点を設け、複数のドライバーで交代しながら輸送する仕組みのこと。SLOCは、荷台(コンテナ)部分の脱着が可能なスワップボディコンテナ車両を採用し、QRコードを使ったコンテナ管理システムを導入することで、複数の荷主と運送業者で荷物を運ぶ新しい輸送形態だ。スワップボディコンテナ車両を用いることで、中継地点でコンテナを分離し、指定されたコンテナに載せ替えて輸送できる。トラックの乗り換えや荷物の積み降ろしがないため、柔軟な運行スケジュールの立案が可能となる。また、コンテナを分離できるという特徴を生かし、荷主が荷物の積み降ろしを行う「荷役分離」や、異なる荷主の荷物を積載する「混載輸送」が容易になる。ドライバーの荷役負担が軽減し、より多くのドライバーの活躍を期待する。
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