元旦ビューティ工業、業界初の住宅リフォーム用屋根材を開発
大型屋根の技術を生かした住宅向け製品開発を拡大
元旦ビューティ工業は、上から下に葺くバッキング工法を採用したリフォーム用屋根材の新商品を開発。安全性や施工品質の確保などをメリットに、リフォームや住宅分野の売上拡大を目指す。
元旦ビューティ工業は急勾配屋根に最適なバッキング工法を採用した住宅リフォーム用屋根材「断熱ビューティルーフ3型」を開発した。バッキング工法は同社が特許を持ち、40年以上前から大型案件で採用してきた工法で、住宅での採用は業界初となる。
住宅屋根リフォームにおいて、急勾配な屋根は滑りやすく、作業者が歩くこと自体が困難であるなど課題が多くある。そのため、一般的な下(軒先)から上(棟)へ葺いていくフォワード工法では、施工者の安全性、施工効率、施工途中の雨仕舞などに課題があった。それに対し、バッキング工法では上から下に葺いていくことで作業員が安全な作業姿勢を確保することができるため、4.5寸勾配以上の急勾配屋根でも安全性を保ちながら施工することができる。また、施工時の移動時に新設した屋根に乗らないため仕上がりが綺麗になる。さらに、既存屋根上のみの移動となるため滑りにくく、ビスを斜めに打ってしまうなどのミスも軽減できるため施工品質向上にもつながる。
施工方法は、棟に作業用安全金具を取り付け、ロープとハーネスで作業員とつなぎ、安全性を確保する。次に既存屋根の上から防水機能付き断熱バックアップ材を敷いてビス止めし、その上に断熱ビューティルーフ3型を上から順番にはめ込む形で施工していく。
また、足場を組まずに雨といや屋根、ソーラーパネルなどのリフォーム作業を可能にする安全装置「スムースライド77」を同時利用する提案も行っている。バッキング工法とあわせることにより、施工時のさらなる安全性の確保と工期短縮によるコスト削減に役立つ。さらに、屋根と一体化する雨とい「元旦内樋」をあわせた3点セットでの利用を提案しており、施工効率向上と不要なコスト削減につながる。
これらを採用することで、従来は別作業だった足場設営から屋根改修、雨とい交換までを板金職人だけで一気通貫で行えるため人手不足対策になる。また、若手職人でも安全第一に簡単に作業できることで熟練工不足対策にもつながる。
加藤誠悟社長は「今回開発した『断熱ビューティルーフ3型』、従来より販売している『元旦内樋』、それに加えて安全装置の『スムースライド77』は日本の屋根リフォームの施工方法を変える製品となっている」と語る。
同社は1967年に住宅用屋根材「ビューティルーフ」の開発・販売からスタートしたが、近年は一般建築を多く手掛け、大型屋根を主体に営業・技術開発を進めてきた。しかし今年度、住宅分野の売上拡大(今期売上25億円)を目指しており、リフォームや住宅分野をあらためて本格展開する考えだ。「大型案件は現在のところ比較的堅調に動いているが、将来縮小すると考えている。これからは住宅分野での売上拡大を図っていく」(加藤社長)方針だ。
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