2023.4.24

ライフログテクノロジー、高精度の画像解析技術で健康管理のためのデータ収集をより簡単に

多様な企業との連携で健康管理分野での新サービス創出へ

食事・運動・体重管理アプリケーション「カロミル」の開発・提供を行うライフログテクノロジー(東京都中央区、棚橋繁行CEO)は、多様な企業との連携を図ることで、健康管理のパーソナライズされた最適解を提供しようとしている。

ライフログテクノロジーが提供する健康管理アプリ「カロミル」は、日々の食事をスマートフォンで撮影するだけで、エネルギー量やたんぱく質などを記録できるもの。

同社が独自に開発したAIによる画像解析技術によって、高精度に食事の内容を解析し、データ化していく。外食やコンビニエンスストアで購入した食事の内容も非常に高い精度で解析できる。

外食チェーンのメニューやコンビニエンスストアの新商品などのデータを絶えず更新していることもあり、他の同様のアプリと比較すると、より正確に、簡単にデータ化することが可能だ。例えば、どこの牛丼チェーンの商品かまで写真だけで判別できるという。

日々の食事の内容をデータ化する場合、これまでは利用者自らがメニューの選択を行うといった手間が必要になり、結局は途中で利用を辞めてしまうことも多かった。しかし、「カロミル」を使うことで、写真だけ撮影しておけば、AIが自動でスマートフォンのカメラロールにある写真の画像解析を行い、食事の内容や日時などのデータを蓄積し、記録の手助けをしてくれるというわけだ。数日間の食事パターンを学習し、写真を撮らなくても記録ができる学習機能も実装している。

エネルギーだけでなく、たんぱく質、脂質、炭水化物、塩分、糖質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど18栄養素の計算・記録もできる点も特徴のひとつ。

日々の食事の情報をより正確に、簡単にデータ化できる「カロミル」

加えて、このアプリでは歩数などの運動量も自動でデータ化する。さらに、対応する血圧計や体重計からも自動でデータを取得するだけでなく、外出先などで体重を計ったものを写真に撮影しておけば、AIによる画像解析でその内容もデータとして蓄積していく。

さらに、AIが食事や運動の状況などを分析し、3カ月後の体重を推測し、知らせてくれる機能も備えている。

同社の調べによると、BMIが25以上(BMI指標で「肥満」とされる体型)で減量目的のユーザーのうち、6カ月間継続して「カロミル」を使用している場合、85%のユーザーが減量を実現していることが分かったという。減量を達成したユーザーの平均体重変化量については、6カ月継続で5.9㎏の減少であったことも調査で明らかになっている。

データ活用でさらに踏み込んだ
Well‐beingの実現へ

「住宅内に自動で写真がアップされる仕組みがあれば、様々なサービスの可能性が広がるのではないでしょうか」と話す棚橋CEO

「カロミル」のユーザーは、既に180万人を突破しているが、同社では企業や健康保険組合へのソリューションも提供している。「カロミル」を活用することで社員の日々の食事の管理と運動を連携させたイベントを開催したり、管理栄養士などによる食事指導などにも使われている。同社にも管理栄養士が所属しており、食事指導まで含めて提供することも今後のサービス展開として検討している。

同社の棚橋CEOは、「なんとなく『野菜を多く食べてください』と言われても、なかなか実行できません。データを利用することで、より踏み込んだアドバイスが行えます。コンビニで食事を買うことが多い人であれば、『サラダを1品足してください』といった個人に合わせた最適解を提供できるのです」と話す。

また、同社では様々な企業と連携しながら、新たなサービスの創出も図ろうとしている。

例えば、東急不動産の「キレイになる家プロジェクト」の実証実験にも参画。このプロジェクトは、IoTデバイスなどを用いて住宅でのライフログデータを収集し、新たなサービスを提供しようというものだ。
棚橋CEOは住宅関連企業との連携の可能性について、「プライバシーへの適切な配慮を行ったうえで当社のAIによる画像解析技術を使えば、住宅内に自動で写真がアップされる仕組みがあれば、様々なサービスの可能性が広がるのではないでしょうか」としており、将来の共創に期待をのぞかせている。

今後同社では、「カロミル」ユーザーへのサービス提供だけでなく、事業者や行政関連組織などとの連携も図りながら、より踏み込んだWell‐beingの実現を目指した取り組みを進めていく方針だ。