MUJI HOUSE、「インフラゼロでも暮らせる家」の開発へ
どこでも快適な暮らしの実現を目指す
MUJI HOUSEは、インフラを公共のライフラインに依存しないモバイル住宅「インフラゼロでも暮らせる家」の実証実験「ゼロ・プロジェクト」を開始した。まずはプロトタイプを開発し、2024年以降に実用化したい考えだ。
「インフラゼロでも暮らせる家」は、太陽光発電システムや蓄電池、水循環システムなどインフラ設備を搭載したインフラユニットと、ミニキッチン、トイレ、シャワー、ソファベッド・跳ね出しベッドなどを備えた居住空間であるリビングユニットを組み合わせることで、インフラが十分に整っていない地域でも快適に暮らせることを目指すモバイル住宅。それぞれのユニットは棟として分離しているため、例えば1つのインフラユニットに対して複数のリビングユニットを組み合わせることが可能で、複数世帯での居住や暮らし方に合わせた間取りの変更などができるほか、ユニットには運搬用のシャーシが付いているため、車で牽引することで移動が可能だ。
2019年4月から厚生労働省が主体となって「働き方改革」の導入が開始され、テレワークやワーケーションの取り組みが広がってきた。同社は、こうした新しい働き方を中心とした郊外での暮らしが今後は増えてくることを見込み、同年11月に同社初の平屋商品として「陽の家」を発売。郊外での暮らしを選択肢のひとつとして提案してきた。こうしたなか、2020年にコロナ禍に突入したことでテレワークなどが一般に普及、都心から地方へ移住する動きが活発化し、郊外需要が加速した。
しかし、郊外は自然豊かな環境が広がる一方でインフラが十分に整っていない地域も多い。こうした地域に居住するためには新たにインフラを引き込むための工事が必要になるが、それはコスト面からあまり現実的ではない上、せっかくの自然環境を壊してしまうことになり、本末転倒になってしまう。
そこで、同社は郊外居住に関して「インフラいらずの家が必要なのではないか」と着想。加えて、住宅建築時に必須となる基礎工事なども自然破壊につながる恐れがあるとして、「基礎工事を伴わない、持って行って置くだけの家」を目指して移動式住宅に着目、実証実験「ゼロ・プロジェクト」を開始した。
4つの「ゼロ」を策定
環境リスク、災害リスクにも配慮
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