住友林業、米国の人材不足を解消するFITP事業を本格化
工場新設で材工一貫体制をより強固に
米国において高品質の構造用部材と施工サービスを一貫体制で提供するFully Integrated Turn key Provider(以下FITP)事業を推進している。新たな製造工場の建設にも着手しており、米国で新たな事業モデルを構築する。
住友林業では、いち早く米国での住宅事業を本格化させ、2022年末時点で1万244戸の住宅を全米で供給するまでに事業を成長させている。
同社では、サンベルトエリアと呼ばれる人口や雇用の増加に伴い住宅需要が顕在化している地域において、M&Aなどによって地域の有力ビルダーとの協業を推進してきた。現在ではビルダー5社を通じて、16州1特別区で事業を展開している。
金利上昇などの影響もあり、以前よりも市場が低迷していると言われているアメリカの住宅マーケットだが、サンベルトエリアを中心として住宅が不足しており、400万~600万戸の住宅が足りていないという推計もあるという。
こうした旺盛な住宅需要を考慮し、同社では2030年までに年間2万3000戸の住宅を供給する体制を構築することを目指している。
施工の合理化によって
ローカルビルダーの困りごとを解消
米国の住宅事業を進める上で重要な課題になっているのが施工力の確保。米国では、フレーマーと呼ばれる構造躯体を組み立てる施工業者が不足しているだけでなく、サプライチェーンの混乱によって資材調達が難しくなっている。
一般的な米国のローカルビルダーは、2×4工法用のパネルなどの構造部材を調達するだけでなく、それを施工するフレーマーも確保する必要がある。フレーマーだけでなく、資材の調達も難しくなる中で、結果的に施工期間が長期化してしまうケースもある。
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