2023.4.6

アンドパッド、指定確認検査機関と協業、申請者の業務を効率化

API連携で電子申請のサービス価値向上へ

住宅性能評価センターなど指定確認検査機関大手3社と協業し、建築確認などの電子申請を活用する申請者の業務を効率化するサービスの提供を始めた。

建築確認申請や設計住宅性能評価の進行状況の把握について、ANDPAD を介して設計部門と工事部門のリアルタイムでの情報共有が可能になった

アンドパッドが、確認サービス、住宅性能評価センター、ユーディーアイ確認検査の指定確認検査機関3社と協業し、一建設の開発協力のもとクラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を活用し、申請者の建築確認・設計性能評価の進捗管理における生産性向上を図るサービス提供を開始した。
指定確認検査機関では業務効率化の推進、及び申請者側の要望に応える形で電子申請システムの導入が各社で進んでいるが、申請者側では、建築確認申請や設計住宅性能評価の進行状況の把握について、設計部門と工事部門のリアルタイムでの情報共有に課題があった。申請は設計部門が行い、その情報をメールや電話、ファックスなどで送り工事部門の監理者がチェックするケースが多い。これをANDPADを介して横断的に情報共有、複数現場の進捗状況を同時に確認することができ、手戻りのない申請を実現することができる。

具体的にはANDPADの「マイルストーン」機能を活用する。この機能は、着工、上棟、引き渡しといった工程上重要なマイルストーンを管理する機能であり、これと各機関の電子申請システムをAPI連携し、確認申請、中間検査、完了検査、設計性能評価などの申請日や公布日を反映できるようにした。工事部では現場監督などが進捗を管理、確認するが、棟数が多いとすべてを確実にチェックすることは難しい。一方、管理者層は会社全体の確認申請や設計性の評価の進捗を把握するため、指定確認検査機関に別途一覧を問合せて確認していた。これをANDPADにより会社全体で共有することを可能にしたのである。また、会社横断で同じマイルストーンを管理しているためプロジェクトを並べてみることができ、工程管理の平準化に繋げることも可能だ。

サービスの運用は既に始まっており、住宅性能評価センターでは、基本的にANDPADを活用し、マイルストーンに入力する手間を減らしたいという申請者に対してサービスを提供している。一方で、同社に申請したことがないANDPADを活用する事業者から「連携しているのなら住宅性能評価センターに申請したい」といった事業者も出てきており、新たな顧客拡大につながっている。

これまで指定確認検査機関から受理証を受取り、それを工事部などと事後的に情報共有することが当たり前であり、DXによる組織間のリアルタイムな連携などは行われてこなかった。それだけに今回のサービスはエポックメイキングな出来事といえよう。

アンドパッドでは、データ連携する指定確認機関、また、同システムを活用する住宅事業者を募集しており「電子申請の持つ価値を知っていただき、住宅業界全体のDX化を推進していきたい」(今井亮介執行役員)と、DXによる新たな価値創出に力を注ぐ考えだ。