2023.4.13

タカショー、IoT搭載のトレーラーハウスを販売

デジタル田園都市での活用も見込む

タカショーは、LINKED CITYの参画企業を中心に共同開発した、「GXホーム」を販売する。トレーラーハウス型のため多様な使い方ができ、地方での飲食店や宿泊施設としての展開も視野に入れる。

スマートヴィレッジのイメージ図。オフグリッド対応のGX ホームで環境と人間にやさしい街づくりを目指す

LINKED CITYは、観光を起点に都市の創造性を向上させる観光型スマートシティ構想。①「デジタル田園都市国家構想」への貢献、②「共創」による新しいビジネスの形、③「DX」による地域課題解決&新産業創出を目標に掲げ、(公社)国際観光施設協会(東京都千代田区、鈴木裕会長)を中心に、ソニーマーケティング、パークホームズ、タカショーなど88の企業、5つの協会団体が連携・共創している。

タカショーは、LINKED CITYに外構を扱う会社が参加していなかったことから「小さな規模で人が集まる場所をつくる際に、外回りや照明を扱う当社の技術を生かせるのではないか」(髙田康平 常務執行役員)と、昨年の春に事業への協力を開始した。

住宅価格が高騰するなか、総額2000万円程度でウェルビーイングな暮らしができることをテーマに開発したのが「GXホーム」。スマートロックや家電IoTコントローラーなどスマートホームデバイス、庭や屋外照明を標準装備する、W12.0m×H2.4m×D4.4mのトレーラーハウスだ。5色の外装、2色の内装から選べ、グレード別に庭・外構まわりの3つのパッケージプランを用意する。

多拠点居住など暮らし方にも変化が現れるなか、狭くても快適な暮らしをしたいという人に向けて、今年2月に販売を開始した。固定資産税が掛からず、基礎工事なしで設置できるため、コストパフォーマンスのよさがメリットとなる。サイディング施工やトリプルガラス仕様のサッシを導入することで、居住環境の快適さも追及した。今後、付加価値として、ソーラーパネルや蓄電池の導入を検討している。

現在、販売代理店を募集中で、年内に10社を目標としている。同社の顧客であるエクステリア工事店で業態変化を望む層や、地域工務店、自治体に働き掛けている。髙田常務は「トレーラーハウスは、内装次第で宿泊施設や店舗としても利用できる。住宅用途はもとより、まちなみ形成への活用もしていきたい」と、幅広い利用を期待する。例えば、獣害対策として、駆除した動物をジビエ料理にして振舞う企画を試みている地域などに、宿泊施設やそのほか人が集まれるスペースとしての採用を見込む。既に、展示会などで引き合いがあり実装に向けて動き出している地域もあるそうだ。

LINKED CITYでは、「移動」、「物流」、「支払い」、「行政」、「医療&介護」などの課題を都市DXの観点から解決することを目指す「スマートヴィレッジ」を全国の自治体で展開することを計画している。GXホームの展開により、スマートヴィレッジの実現を加速したい考えだ。また、タカショー、パークホームズ、OpenStreetで連携し、スマートヴィレッジ内にEVチャージ拠点を展開、シェアモビリティサービスを活用して電動アシスト自転車やEVスクーターなどを提供する予定。自治体へのGXホームの提案は、このようなデジタル田園都市国家構想につながる取り組みと合わせて行う。