2023.3.16

相羽建設、家具デザイナー小泉誠氏とコラボした25坪の戸建住宅

広報・伊藤夫妻の家、こだわりを具現化

相羽建設(東京都東村山市)は、家具デザイナー小泉誠氏とコラボレーションした戸建住宅を建設した。同社広報の伊藤夫妻の住まいとなる。25坪の住まいに夫婦のこだわりを詰め込んだ。

相羽建設は、かねてより、家具デザイナー小泉誠氏と多岐にわたる分野でコラボレーションを行っている。職人、デザイナー、工務店が「手」で繋がる場、デザインとものづくりをつなぐ、手仕事を軸とした新たなプラットフォームとして、相羽建設が運営する「わざわ座」での協業をはじめ、ショールーム「あいばこ」、モデルハウスの「つむじ」、会員制コミュニティスペース「あそこ」の設計デザインも小泉氏が手掛けた。さらに2021年7月に竣工した同社の3階建て自社ビルのリノベーションにおいて、小泉氏が空間プランの設計を担当。「集中・交流・共有」の3つの空間づくりのコンセプトで、家づくりの職人の手仕事や自然素材を生かし、相羽建設の新たな拠点を創出した。

また、小泉氏デザインの製品を購入できるオンラインショップ「こいずみ道具店」のサイト運営を、相羽建設が行っている。

戸建住宅で初コラボ
心地よい居場所が点在

「いとう家の住宅」の外観。ユニークな角度で下野屋根が正面に突き出す

そして今回、小泉氏との戸建住宅のコラボレーションが実現。小泉氏自身は、戸建住宅を設計した実績は豊富に持つが、相羽建設とコラボした戸建住宅は今回が初となる。施主は、同社広報の伊藤夕歩・碧夫妻だ。「四季や時間の移ろい、自然の光や風を感じられる人間らしい暮らし」、「家で働ける場所」など、夫妻の要望を小泉氏のプランで実現。家の前の通りからは小屋のように見える下屋、リビングからつながる北側デッキ、窓から近くの森が眺められる小上がり畳スペース、快適に仕事ができるワークスペースなど、25坪の住まいに夫婦のこだわりを詰め込み、「いとう家の住宅」と命名した。生活に必須な収納・水回りの工夫はもちろん、家族みんなで過ごす居間を中心に、心地よい居場所が点在する。美しい空間をつくる照明計画や、家具・建具のデザインにもこだわった。

窓から近くの森が眺められる小上がり畳スペース

庭のデザインは、同社の住宅の造園計画で豊富な実績を持つ、造園家の小林賢二氏が担った。四季や食を楽しめる植栽や大小さまざまな石が豊かな外部空間を創出する。「いとう家の住宅」の外観を特徴づけるのがユニークな角度で正面に突き出す下野屋根だ。雨の日には、下野屋根をつたう雨水が一端に集まり、庭先に落ちる。庭に面する、小上がり畳には、室内側に張り出したベンチと一体化した窓を設けてあり、そのベンチから、庭の景色、下野屋根をつたい庭先に落ちる雨水など、自然な移ろいをゆっくりと感じられるように工夫した。