2023.2.10

イノアックコーポレーション、白馬村で地域一丸のまちづくりを支援

持続可能な社会の創出へ

イノアックコーポレーションは、長野県北安曇郡白馬村にて、「INOAC SUSTAINABLE SEEDS HAKUBA」プロジェクトに取り組んでいる。村民が地域一丸で取り組むまちづくりをサポートする。

「白馬南小学校」の教室を同社のポリイソシアヌレートフォーム断熱ボード「サーマックス」で断熱改修した

長野県北安曇郡白馬村は、県北西部に位置する村民約8500人の小規模な自治体だ。村ではもともと、サーキュラーエコノミーを実現し、地球温暖化を防止する目標が掲げられており、村民一丸となったまちづくりが行われていた。イノアックコーポレーションは、白馬村で行われていたまちづくりに対し、同社のポリイソシアヌレートフォーム断熱ボード「サーマックス」を使って何か貢献できることがあるのではないかと考え、白馬村の支援を開始した。

2021年10月、最初の取り組みとして行ったのが、村内にある「白馬南小学校」の6年生の教室への「サーマックス」による断熱改修だ。竣工から30年が経過した小学校の北校舎は、高い天井と大開口を備えた木造建築で、デザイン性に優れた建物だが、断熱性能が高いとは言えなかった。白馬村は降雪量が多く、冬場の気温は氷点下を下回ることも多いため、エアコンやストーブなどの暖房器具によるエネルギー消費量が多い。そこで、「サーマックス」を用いて校舎の断熱改修の一助を担うことで、化石燃料の消費量を低減した。改修後、児童や教職員からは、「ストーブを点けても、いつもより燃料の減り方が遅い。何よりほかの教室よりも暖かく、朝でも快適に過ごせる」といった声があがった。

この改修をきっかけにプロジェクトは拡大し、「INOAC SUSTAINABLE SEEDS HAKUBA(イノアックサステナブルシーズ白馬)」として、全社的に白馬村を支援する取り組みとなった。断熱材部門に限らず、寝具部門、家具部門、同社グループ会社のIRCなどが協力して取り組むことで、様々な視点から総合的に持続可能なまちづくりをサポートしている。例えば、寝具部門では白馬村の宿泊施設向けに環境負荷の低いマットレスなどを現地で開発、提供の準備を始めている。また、家具部門では白馬村で発生した間伐材を利用した家具の現地生産、販売などを検討している。

白馬村は観光地として有名で、収入の多くが観光業によるものだが、観光業一本で地域経済の安定化を図ることは難しい。実際、コロナ禍初期に観光業は大きな打撃を受けた。

2022年12月には白馬村に事務所兼ショールームを開設。現地での雇用創出だけでなく、白馬村の方針に沿った寝具や家具の拡販を目指している。併せて白馬村での取り組みを紹介する特設サイトも立ち上げた。
白馬事務所の煙山貴紀所長は、「村に寄り添い、並走した取り組みとして当社にできることをしようと思った。村民一人ひとりが白馬村をよくしたいという想いを持っており、当社の取り組みにはご理解をいただいている」とプロジェクトの手応えを話す。

また、学校の断熱改修においては長野県から他地域でも広く展開してほしいという要望も寄せられており、今後、事例の水平展開も含めてさらにプロジェクトを深化させていく方針だ。