旭ファイバーグラス、厚さ250㎜の高性能グラスウール断熱材を発売
高性能住宅の天井用途に最適
旭ファイバーグラスは2023年1月にグラスウール断熱材の新製品を一斉発売した。同社の「アクリアα」シリーズで最高性能を誇る天井用断熱材のほか、3~7地域の誘導仕様基準対応の製品も用意し、市場競争力の強化を図った。
「アクリアα」シリーズで最高性能を誇る天井用断熱材が「アクリアαR71」だ。20K250㎜厚で熱抵抗値7.1㎡・K/W、熱伝導率0.035W/(m・K)と、天井吹込み用グラスウール370㎜厚相当と同等の断熱性能を確保した。断熱等性能等級5以上の高断熱住宅での使用を想定している。
発売の背景には、2022年3月に「JIS A 9521:建築用断熱材」が改正されたことがある。昨今、2050年カーボンニュートラルなどに向けて住宅の高断熱化の機運が高まっており、それまで200㎜だった製品の厚みの認定範囲が250㎜まで拡大した。「アクリアαR71」は、この改正にいち早く対応した製品だ。
営業本部 グラスウール営業支援グループの池田昌彦グループリーダーは「2019年に竣工した中部工場は高断熱化の将来を見据えて製品の厚手化に対応する設備を導入していたため、250㎜厚の製品化を早期に実現することができた。また、250㎜という厚みは見た目のインパクトも強いため、一般施主への訴求力としても期待できる」と話す。価格は2万6700円/坪。
誘導仕様基準に合わせた製品も
2×4工法向けの需要を開拓
改正JISに対応した製品のほか、天井、壁、床用で誘導仕様基準に合わせた製品の販売も開始した。2022年6月、省エネ関連法案が可決され、2025年以降建築されるすべての新築住宅・非住宅に省エネ基準の適合義務化が決定した。同時に2030年までにこの基準を誘導基準にまで引き上げることが目指されている。将来の義務化に向けて、2022年11月に誘導仕様基準が公布・施行された。断熱等性能等級5の仕様基準も同時に施行されたこともあり、今後は仕様基準の活用が増えると予想される。
こうした流れを受け、同社は天井用に「アクリアR45」、床用に「アクリアUボードNTα」、2×4の壁用に「アクリアウールα 28K89㎜厚」を発売した。それぞれ、3~7地域の誘導仕様基準で定める熱抵抗値(天井:4.4㎡・K/W、壁:2.7㎡・K/W)、4~7地域の誘導仕様基準で定める熱抵抗値(床:3.4㎡・K/W)に対応している。
なかでも「アクリアウールα」は2×4工法向けの製品として販売している。2×4材は幅が89㎜と規格化されており、在来工法に多い105㎜と比べて断熱材を施工できる幅に限りがある。一般の高性能グラスウール(アクリア14Kなど)で熱抵抗値2.7㎡・K/Wを満たそうとした場合、2×4工法では性能が足らず、2×6工法にする必要があり、コストが増す。そのため、「アクリアウールα」の性能を持って89㎜厚で熱抵抗値2.7㎡・K/Wを実現できるのは大きな強みとなる。
価格は「アクリアR45」が1万2450円/坪、「アクリアウールα」が9390円/坪、「アクリアUボードNTα」が1万1970円/坪。なお、在来工法の壁については従来品の「アクリアネクスト」(14K105㎜厚)で対応する。同社は今後、誘導仕様基準に向けて各製品のパッケージ提案を進め、省エネ計算に精通していない住宅事業者を支援していく方針だ。
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