2022.12.23

中央住宅、戸建分譲で新ブランドを立ち上げ

高付加価値商品で高額所得者の獲得を狙う

戸建分譲住宅の新ブランド「ザ プルーブ」の展開を開始した。住宅需要が高まるなか、ワンランク上の住宅開発を通じて、新たな顧客層の獲得に力を入れる。

新ブランド「ザ プルーブ」を立ち上げ、新たな顧客層獲得を狙う(写真は「ザ プルーブ 船橋海神」)

ポラスグループの中央住宅がプレミアムな戸建分譲住宅の新ブランド「THE PROVE(ザ プルーブ)」を立ち上げた。

これまで同社は「リーズン」ブランドで、物件ごとに一棟一棟作り手の想いやこだわりがつまった分譲住宅を手掛けてきた。物件ごとにコンセプトを持たせ、住宅の外観やデザインを自由に変え、それぞれの魅力を作り出してきた。

ただ、「コロナ禍の影響もあり、ここ2~3年で住宅需要が高まり、『リーズン』だけでは対応できない顧客層が出てきた」という。「リーズン」は4000万円前後の価格帯が主流であったが、そこに納まりきらない顧客層をどう取り込んでいくかが課題となっていたのである。

そこで高付加価値商品として開発したのが「ザ プルーブ」である。第一弾として2022年9月に発売した「ザ プルーブ 流山」(千葉県)は、周辺相場より1000万円程度高い価格設定であったが、即日完売となったという。

そして第二弾として開発したのが4棟からなる「ザ プルーブ 船橋海神」(千葉県)だ。京成本線海神駅徒歩5分の立地で、船橋駅からも徒歩14分という立地。総武線など4線・4駅が近く、利便性が高い。そもそも船橋エリアは人気が高い地域だが、海神地域は第一種低層専用地区で居住環境も良く、船橋市のなかでも高級住宅地である。

「船橋海神」は、645.75㎡の土地に4棟と、周辺分譲物件の2倍近い約142㎡が2棟、約181㎡が2棟と、周辺分譲住宅の2倍以上の敷地面積を確保した。また、建物面積は約106~111㎡だ。販売価格は2棟が8280万円、2棟が8480万円と、同社の物件として過去最高であり、初の8000万円超えの物件である。

本物の素材を使った良質な空間
性能もワンランク上を実現

「ザ プルーブ」のコンセプトは、「本物の素材を使い、高品質な空間を提案する」こと。具体的には、一階には挽き板のフローリングを採用し、リビングに無垢材を使用する。また、性能面でもワンランク上を実現した。窓はこれまで標準であったアルミ樹脂複合窓から樹脂窓に切り替え、長期優良住宅に対応する。「船橋海神」のUA値は0.6で、C値は0.3程度であるという。こうした仕様は、ポラスグループのなかでもトップクラスのものだ。

プラン面では、同社ならではの一棟一棟へのこだわりを継承する。「船橋海神」は、4棟それぞれ「ファミリー」、「ギャラリー」、「ユーティリティ」、「ライブラリー」と、異なるテーマで設計された。

「7000万~8000万円の設定があたりまえ」という立地の良さはあるが、8000万円台という戸建分譲住宅は同社にとって新たなチャレンジだ。事前の告知に対しての問い合わせは230件と、他の物件に比べ5~8倍多く、想定した顧客層が一定数いることは間違いない。今後、これまでと異なる新たな顧客層の獲得を狙い、立地などの条件が合えば「ザ プルーブ」を展開していく。目標は年間20棟以上だ。