パナソニック アーキスケルトンデザイン、一般工務店のZEHへの取り組みを支援
ソリューションセンター設置でZEH化の課題解消へ
パナソニック アーキスケルトンデザインは耐震住宅工法「テクノストラクチャー工法」により、ZEHやLCCMにも対応する木造2階建住宅の新商品「BASIE LIFE+」を開発、パナソニック・ビルダーズグループへの提供を開始した。工務店のZEHへの取り組みをサポートする。
「BASIE LIFE+(ベイシーライフプラス)」は、梁の一部に鉄を入れて木の強さを補強した「テクノビーム」を使用し、1棟ごとに構造計算を行うテクノストラクチャー工法を用いた、ZEHやLCCMにも対応する木造2階建住宅だ。全国に約380社ある「パナソニック・ビルダーズグループ」の加盟工務店への提供を進め、ZEH率向上を図っていく狙いがある。
政府は住宅の省エネ性能向上に向け、2025年に新築住宅における省エネ基準適合義務化を決定しているほか、2030年には同基準のZEH水準への引き上げを予定、2050年までにはストック平均でZEH水準の省エネ性能確保を目指すなど、住宅業界の脱炭素に向けた省エネ性能の向上を急ピッチで進めているが、現状のZEH化進捗率を見ると、あまり芳しいとは言えない状況にある。
(一社)環境共創イニシアチブによると2020年度における新築注文戸建住宅のZEH化率はハウスメーカーが56.3%で目標の50%を超えたものの、一般工務店の割合はわずか9.4%に留まるなど対応に遅れが出ており、全体で見ても24.0%と目標の半分ほどしか達成できていない。この理由としては、「顧客の予算」が最も多いが、「顧客の理解を引き出すことができなかった」、「体制の不備」といった課題が挙げられている。事業統括部の古賀賢一郎部長は「日本の住宅全体のZEH率を上げていくためには、ハウスメーカーが業界を牽引していくとともに、一般工務店がZEHに取り組むハードルを下げる必要性がある」と話す。
こうした課題に取り組むために、ベイシーライフプラスではZEH水準以上の断熱性能をベースとしてLCCM仕様、ZEH仕様、長期優良住宅仕様の3タイプを揃えた。テクノストラクチャー工法の強靭な構造躯体を生かすことで太陽光パネルの搭載量を変更することができ、間取り変更なしにZEHやLCCM仕様への変更を可能にするなど、ZEHの普及を後押しする仕組みとした。
また、一般工務店のZEH支援の入り口として、パナソニック・ビルダーズグループの加盟店向けに「ZEHソリューションセンター」も設置した。外皮計算や各種申請で増える営業・設計の手間や、イニシャルコスト増加による施主への説明の難しさに対応するために、①ZEH判定サポート、②補助金申請サポート、③太陽光、蓄電池、HEMS事前相談、④ZEH販売支援、の4つの支援メニューを用意した。
さらに、ベイシーライフプラスはテクノストラクチャー工法による構造の強さを生かすことでライフスタイルに合わせた理想の暮らし方探しから住まいづくりまでをトータルでサポートするプランを提案できるほか、瑕疵担保責任保険が終了するタイミングで無料の住宅検査を受けることで建物書記保証期間を20年に延長する「建物長期保証」を導入。20年目以降も10年ごとに有料の検査やメンテナンス工事を行うことで最長60年の保証に対応可能とした。
同社は今後もベイシーライフプラスを通じて高品質かつ生活を豊かにする住まいの提供に力を入れていく考えだ。
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