脱炭素先行地域20提案が採択

「脱炭素先行地域」の第2回選定が行われた。選定されたのは20提案で、第一回選定とあわせ全46提案。全国で脱炭素をキーワードとする地域づくりが進む。

環境省が「脱炭素先行地域」の第2回目となる選定結果を公表した。

「脱炭素先行地域」とは、「民生部門の電力消費にともなうCO2排出の実質ゼロを実現し、運輸部門や熱利用なども含めて、その他の温室効果ガス排出削減も地域特性に応じて実施する地域」のこと。

環境省は、「地域脱炭素ロードマップ」に基づき、2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、2025年度までに少なくとも100カ所の脱炭素先行地域を選定し、脱炭素に向かう地域特性などに応じた先行的な取り組み実施の道筋をつけ、2030年度までに実行する。

第2回目となる今回は、全国53の地方公共団体から50件の計画提案が提出された。このなかから選ばれたのは20件だ（表参照）。環境省によると、これら選定提案の多くが、第1回に不選定となった地方公共団体からの提案。前回、評価委員会からの指摘事項に対応して提案内容を改善、内容の熟度を向上させたようだ。また、その大半が「関係者と連携した実施体制」であり、地方公共団体と発電事業者、送配電事業者、地域金融機関、大学・シンクタンクなどとの共同提案であることも特徴だ。

第1回をあわせ、全29道府県66市町村の46提案が選定。今後、2025年度まで年2回程度の選定を行っていく。

脱炭素先行地域の第2回選定地域

北海道札幌市、ほか	ゼロカーボン都市「環境首都・SAPP̆RO」を目指して－産学官による積雪寒冷地モデルの構築－
北海道奥尻町、ほか	再エネフルメニューで実現する「サスティナブル・アイランド奥尻」事業
岩手県宮古市、ほか	広域合併したまちの脱炭素地域づくり～宮古市版シュタットベルケから始まる地域内経済の好循環の拡大を目指して～
岩手県久慈市、ほか	過疎地域を未来に向けて発展させる脱炭素先行地域の提案
栃木県宇都宮市、ほか	コンパクト・プラス・ネットワークによる脱炭素モデル都市構築～LRT沿線からはじまるゼロカーボンシティの実現～
栃木県那須塩原市、ほか	ミルクタウン那須塩原のチャレンジゼロカーボン～青木地区ゼロカーボン街区構築事業～ 群馬県上野村 全村！全力！全活用！～脱炭素がつなぎ、脱炭素で輝く地域コミュニティ～
千葉県千葉市、ほか	脱炭素で磨き上げる都市の魅力～「行きたい」「住みたい」「安心できる」千葉市へ～
神奈川県小田原市、ほか	“エネルギーと地域経済の好循環”のための基盤づくりを通じた市街地活性化
新潟県関川村	豊かな自然資源を活用した災害に強い地域づくりと脱炭素化の同時実現～豪雪農山間地域モデル～
福井県敦賀市、ほか	北陸新幹線敦賀開業を契機とした脱炭素化へのパラダイムシフト
長野県飯田市、ほか	既存配電系統を活用した地域マイクログリッドによる人をつなぎ地域をつなぐまちづくり
愛知県岡崎市、ほか	どうする脱炭素？岡崎城下からはじまる、省エネ・創エネ・蓄エネ・調エネのまちづくり
滋賀県湖南市、ほか	さりげない支えあいのまちづくり オール湖南で取り組む脱炭素化プロジェクト
京都府京都市	京都の文化・暮らしの脱炭素化で地域力を向上させるゼロカーボン古都モデル
兵庫県加西市、ほか	分かち合うみんなの電気 蓄電池のまち加西～地産地消エネルギーで結ぶ集落のくらし～
奈良県三郷町、ほか	ゼロカーボンで加速する全世代・全員活躍型「生涯活躍のまち」三郷
山口県山口市、ほか	「ゼロカーボン中心市街地」～商店街・住民・企業・市の共創による市街地脱炭素化の実現～
宮崎県延岡市、ほか	高度成長期を支えた住宅地のカーボンニュートラルによる再生と強靭化モデル～ニュータウン脱炭素再生戦略～
沖縄県与那原町、ほか	「みんなで創る地域脱炭素社会と活気あふれる美らまち与那原」～新しい未来へ綱（つな）げて～