2022.11.4

三井不動産レジデンシャル、多拠点居住サービスのトライアルを開始

グループの総合力を生かして提案を強化

三井不動産レジデンシャルは多拠点居住サービス「n’estate(ネステート)」のトライアル運用を開始した。三井不動産グループ物件を利用するなど、グループの総合力を生かすことで提案力を強化する。

三井不動産レジデンシャルは、ライフスタイルの変化に対応するために多拠点居住サービスとして「n’estate(ネステート)」を立ち上げ、9月からトライアル運用を開始した。

多拠点居住サービス自体はもはや珍しいサービスではないが、同社がこの事業に参画する意義は大きい。

都心や郊外型拠点が選べる多拠点居住サービス「n’estate

従来、多拠点居住サービスを提供してきた企業の多くは2拠点目以降の物件提供のみを行ってきた。一方、同社はこれまで分譲マンションや賃貸マンションなど、基本的には1拠点目となる物件を提供してきており、「顧客ニーズの商品への落とし込みなど1拠点目の提供で積み上げてきたノウハウを2拠点目にも生かせるだけでなく、1拠点目のあり方も含めたライフスタイル全体の提案が可能になる。当社のような不動産会社が同事業に取り組むことで一人ひとりが望む暮らしの選択がより柔軟に行える社会に変わっていくのではないか」(同社事業創造部事業室 櫻井公平氏)と話す。

ネステートは同社が都市部を中心に展開する賃貸マンションシリーズ「PARK AXIS(パークアクシス)」や三井不動産グループ、パートナー企業の施設を拠点として利用することで、個人が自由に居住先を選択して生活できる仕組みを整える。

現在、首都圏を中心に10拠点を展開しており、東京都豊島区のPARK AXIS 池袋など、都心での便利で良質な生活を体験できる「都市型拠点」と、埼玉県加須市のHATASUMIKA/畑住処(はたすみか)など、田園地帯で農業などを体験しながらゆったりと生活できる「郊外型拠点」の2種類の物件を用意している。

契約形態は利用日数と物件によって異なり、都市型拠点で利用するパークアクシスは1ヶ月未満の利用で住宅宿泊事業法に基づく宿泊契約、1ヶ月以上の利用は賃貸契約を基本に2つの契約形態を設定する。郊外型拠点に関しては、1年契約の物件は利用契約、1泊単位で利用できる物件は宿泊契約となる。

また、都市型拠点のうち「PARK AXIS 神楽坂・早稲田通り」、「PARK AXIS 池袋」についてはunitoの独自システム「帰らない日は家賃がかからないリレント」を導入、拠点に帰らない日は別の宿泊者に部屋を貸すことで家賃を日数分下げることができる「リレント申請」によって、より柔軟な住まい方を実現する。

2022年3月には三井不動産グループの住宅サービスを利用している顧客のメンバーシップ「三井のすまいLOOP」会員向けに体験モニターを募集した。定員に対して数倍の応募があるなど反響が大きかったという。

今年度中には拠点を追加する予定で、将来的には全国展開も視野に入れている。自分で暮らしをデザインできる拠点づくりをさらに推進していきたい考えだ。