オープンハウスグループ、再エネ100%電力供給で環境価値に貢献
初年度契約件数5000件を見込む
オープンハウスグループが脱炭素の取り組みを強化している。その一環として今回、同社の戸建て住宅オーナー向けの「おうちリンクでんき」を再エネ100%に切り替える。
同社はCO₂のサプライチェーン排出量のうち、戸建事業活動による直接・間接排出を表すScope1、2において、2030年度に2018年度比で46%削減する目標を定めており、2050年に実質排出量ゼロを目指している。この数値は2050年カーボンニュートラルに向けて政府が掲げる目標(温室効果ガスを2030年度に2013年度比で46%削減)に合わせたもので、同社が展開する戸建事業を中心に環境価値への貢献を図る狙いがある。
こうした中、同社が今回取り組むのが「CO₂フリープラン」と称した「おうちリンクでんき」契約者への実質再生可能エネルギー100%電力の供給だ。
同社は2021年2月に100%子会社としておうちリンク(東京都渋谷区、鎌田和彦代表取締役)を設立し、同社で戸建住宅を購入した顧客向けのプラットフォームサービス「おうちリンク」を展開している。
このサービスのうち、電気に係る「おうちリンクでんき」を契約している顧客に供給する電力について、同社が提携する電力会社CDエナジーダイレクトが非化石化証明書を購入し、調達する電力に付加することで実質再生可能エネルギー100%電力の供給を実現した。2022年10月1日から供給電力を再エネ100%に切り替えることで、契約者は特別な手続きなしに再エネ電力を享受できる。同社は、導入初年度に5000件の契約を見込んでおり、「ポイント還元や再生可能エネルギー電力供給による付加価値などを訴求していくことで、『おうちリンクでんき』を提案していきたい」と話す。
今回の取り組みの背景には東京都で進む太陽光パネル設置義務化の動きがあるという。2022年5月、東京都は新築建築物に太陽光パネルの設置を義務付ける方針を決定し、同年9月に策定した「カーボンハーフ実現に向けた条例制度改正の基本方針」の中で、2025年4月からの施行を取り決めた。
ただ、屋根面積が20㎡未満の物件は、1棟当たりの基準量となる2kWの太陽光パネルの設置が物理的に難しいため、設置義務の対象から除外可能とする方針だ。同社はここに問題意識を持ったといい「太陽光パネルが載せられないからといって、何もしなくていいわけではない」(同社)として、太陽光発電とは別の形で再エネ電力を供給する体制を構築した。
再エネ電力使用の環境価値を訴求
脱炭素事業の認知度を向上
しかし、再エネがもたらす環境価値の認知度はまだまだ低く、顧客自らが再エネ電力の利用を望む声も少ないという。これに対し、同社は「今回の再エネ電力供給を通じて、再エネを使用することの価値を認識していただければ、他の環境価値訴求行動の入り口にもなるのではないか」と述べる。
また、今後は再エネ電力使用によるCO₂削減量を分かりやすく示した具体例などの同社ホームページへの掲載を検討中とした。再エネ電力の環境価値をさらに訴求し、脱炭素の取り組みの重要性について認知度向上を目指していきたい考えだ。
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