ウェルネストホーム 小平モデルをオープン、首都圏エリアの販売を強化
AIで居住環境の自動コントロールなど最新技術の検証も
超高気密・高断熱の家の空気環境を自動でコントロールする-ウェルネストホームは新たにオープンしたモデルハウスでそんな実証を行っている。高性能住宅のさらなる快適性を追求する。
WELLNEST HOME(ウェルネストホーム、愛知県長久手市、芝山さゆり社長)が、東京都内初の超高性能モデルハウスを東京都小平市花小金井にオープンした。
同社は、「よはくの家」、「きづく家」、「えがく家」といった商品を展開するが、いずれも壁は充填断熱+外張り断熱のダブル断熱205㎜、屋根/天井はセルロースファイバー300㎜以上、トリプルガラス+樹脂サッシといった仕様で、UA値は0.25~0.28、気密は平均C値0.2という超高性能住宅だ。現在、年間約150棟を販売する。
全国で15カ所以上のモデルハウスを展開してきたが、小平モデルは、同社の本格的な首都圏展開の拠点となる。2020年に神奈川県鎌倉市にモデルハウスを出店、関東に進出したが、東京都、埼玉県などに注力するため用地を探しており、今年8月にオープンした。
小平モデルは、同社にとっての西東京支店となり、東京都23区、西東京、埼玉県を対象に営業活動を行う。建物のみの想定価格は30坪程度で4000万円程度と、主に高所得者層がターゲットとなる。
これまで鎌倉モデルを関東支店として位置付けてきたが、小平モデルの開設により関東支店を神奈川支店と西東京支店に分割、首都圏を中心とする販売に力を入れる。
同社はモデルハウスを集客拠点というだけでなく、新たな技術開発の検証の場としても活用している。小平モデルでは、空調ダクトを介した24時間換気と、AIを活用した温熱環境の自動制御を試行している。
同社は換気扇にドイツ製のダクトレスの「ベントサン」を標準採用している。
今回、小平モデルに設置したのはドイツのヘリオス社製のダクト式24時間換気システム。機械室に熱交換型の換気システム、エアコン、高集塵機などを設置し、家中の温熱環境・空気環境を整える。今後、高額商品である「えがく家」にダクト式システムを導入する。
さらに、このシステムの自動化も図ろうとしている。モデルハウスの各所にセンサーを設置、温度や湿度、CO2濃度を検知し、AIを介して24時間換気扇などを自動でコントロールする。さらに、電動シャッターとも連動させ、室温が高まった時に自動でシャッターが閉まり、羽根の角度を調整して日射遮蔽を行う。
同社の最大の特徴は超高気密・高断熱住宅であるが、こうした住宅では暮らし方を変える必要がある。例えば、24時間換気システムを手動で止めてしまっては意味がない。「説明してもどうしても切り替えられないお客様もいる。自動化することで問題を解消できるのではないか」(西東京支店・勝山佳樹支店長)ということが自動化の狙いだ。
検証を通じて確認などを行い、早ければ今年の冬頃から実際の住宅に導入していきたい考えだ。
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