ポラテック、大空間を実現する木造標準型を積極展開
コスト・施工性を武器に店舗、倉庫などに提案
ポラテックは店舗や倉庫などを木造化する提案に力を入れる。新たに開発したMPブレースシートを活用した木造標準型を積極的に展開するもので、木造化による価値提案に加え、コストメリットを強く打ち出している。
ポラスグループのポラテックとポラス暮し科学研究所、建築金物大手のBXカネシンは、水平構面の補強用金物「MPブレースシート」を活用した店舗建築物の木造標準型を共同開発、その提案を加速させている。
木造軸組みによる構造は柱が必要なため大きな空間を作りづらい。店舗など大空間を求める場合は、水平構面を取るため合板を使用しサイズアップした特殊材を軸組に使って柱を抜く必要があり、特殊材の採用などによりコストアップにならざるを得なかった。こうした“コストと空間の両立”が課題となり、鉄骨造で建てられることが多かった。
一方、MPブレースによる木造標準型は、合板の代わりにブレースを使って高耐力の構面を実現する。これにより大断面の梁を削減し、柱と梁のみの木造で大空間を実現する。
鉄骨造に比べると低コストで、鉄骨造と同じ大空間を木造で実現できる。また、従来の木造に比べて部材点数が減り設計施工が容易なことが特徴だ。
同社の試算によると、ドラッグストアなど物販店舗(24m×48m)のコストは、鉄骨造を1とした場合、従来の木造は1.51だが、MPブレースシートを活用した標準型は0.86。また、コンビニエンスストアのような小規模な物件(12m×18m)では、1対1.11対0.53になる。これは建物の規模が小さくなると住宅用資材を多く使えるためだ。
このほど公開した受注第一号となる物件(埼玉県さいたま市)は平屋建ての自治会館で、今年11月に引き渡し予定。MPブレースシートを4セット使用した。今後、建築会社や設計事務所に向けて同物件の見学会などを開催する場として活用していく。普及の課題となっているのが、店舗や倉庫などを鉄骨造で手掛けてきた事業者や設計者の“慣れ”であり、実物を見せることで、新しい構造に対する抵抗感をなくしていきたい考えだ。
住宅以外を扱う特販部の木建推進課・施設係では、保育園等、特別養護老人ホーム等、医療施設を3本柱として事業を展開してきたが、新たな用途拡大として店舗や倉庫に広げていく考え。そこで「MPブレースによる木造標準型」は大きな力を発揮しそうだ。「木造ゼネコンを目指しており、積極的にS造から木造への転換を進めていきたい」(特販部・篠田和弘部長)と、力を入れる。
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