スムストック、21年度成約数は1858棟で微減
オーナーへの認知度向上で捕捉率20%以上へ
「スムストック」の2021年度成約件数が前年度比3.3%減の1858棟になったと発表した。オーナーへの認知度向上などの取り組みを強化し、捕捉率20%以上を目指す。
(一社)優良ストック住宅推進協議会は、2008年度から既存住宅の流通促進を目的に「スムストック」の認定事業を行っている。「スムストック」とは、同協議会10社がこれまで供給してきた建物のうち、住宅履歴データベースの保有、50年以上のメンテナンスプログラム、計画通りの点検・修繕、新耐震基準レベルの耐震性といった基準を満たす住宅。
2021年度のスムストック成約率は前年度比3.3%減の1858棟。昨年からは微減だが過去2番目の成約数となった。スムストック累計成約数は1万5757棟にのぼる。スムストック成約率が前年度比で微減となった理由については、「そもそもコロナの影響もあり、売り物件が少なくなったことが影響している。協議会のホームページに掲載された物件数は前年度比で16%減少した」(同協議会)。
また、協議会10社の戸建ストック390万棟、年間推定流通数(2022年3月時点)1万1700棟(流通率0.3%)に対して、2021年度にスムストックで仲介した物件数は1858棟であり、協議会10社の流通捕捉率は約16%、前年度比で1ポイント減少した。
堀内容介会長(積水ハウス 代表取締役 副会長執行役員)は、「捕捉率は横ばいで推移しており、課題と捉えている。消費者と共に、オーナーに対するスムストックの認知度向上に各社が力を入れていく必要がある。また、既にマーケットに出ている協議会10社の戸建ストックを見つけ、買取再販も強化していく。不動産仲介会社との関係を深めることも重要になる。こうした取り組みにより捕捉率20%以上を目指す」と話した。
中期計画(2021年~2023年)では、成約数の拡大、捕捉率20%以上達成に向けた施策の一環として、2021年10月、住宅保証機構と連携した「買取再販型」保険商品の展開を開始した。
その他、スムストックの「安心・安全」のさらなるレベルアップに向け、「売買時の承継に関するガイドライン」を策定、「スムストック住宅評価報告書」の運用促進を図る。脱炭素、レジリエンス、新しい生活様式など、今後の社会環境の変化に対応するため、新たにワーキングを立ち上げ、スムストック査定方法の改良も行う。
スムストックの担い手育成も進める。2008年のスムストック開始時、「スムストック住宅販売士」は428人だったが、2022年6月末現在では累計7460人に拡大している。また、2018年からスムストックの査定や販売は行わないが、スムストック住宅販売士と同内容の研修を受けた者を登録しPRを行う「スムストック住宅販売士試験合格者制度」を開始しており、累計登録者数は703名となった。
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