国交省住宅生産課が50年/「シン・住宅産業」へ

国交省住宅生産課が50年

国交省住宅局の住宅生産課がこの7月に設立から50周年を迎えた。いたずらに過去を懐しむつもりなどないが、改めて50年と言われるとやはり感慨深い。わずか半世紀なのに“住宅”を巡る環境がこれほどまでに激変するとは誰が予想しただろうか。「衣・食・住」は戦後の日本にとってまさに喫緊の課題だった。だが飽和の時代となり、衣はファッション、食はグルメを追う。そして住も家余りで、空き家対策が課題、いまやつくり過ぎた住宅の処理に頭を悩ます皮肉だ。この間、工業化住宅を核に急成長した住宅産業も、目をこらせば産業構造も、業容も様変わりだ。新たな航海図を模索する。

道に迷ったら歴史に問え―と言われるが、50年前に問うこと、学ぶことといったら何だろう。量的解決を第一義に進んできた当時の思考は、如んど役に立たない、と切って捨てることはたやすいだろう。官界にも、民間にもいまそうした冷めた眼があるのは確かだ。ただ、日本の住宅はウサギ小屋と海外から揶揄されたり、「米国は“原子”の時代、日本は“原始”の時代」と自嘲気味に語られた日本の貧しい住宅事情を前にして住宅工業化という未知の分野に切り込んでいった先人の熱きチャレンジ精神には敬服するのだ。住宅生産課にしてもその設立をめぐっては通産省(現・経産省)との激しいバトルが展開された。


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