YKK AP/U建築 戸建性能向上リノベの18番目「高羽町の家」
築50年の木造をG2グレード、耐震等級3にリノベ
YKK APとU建築は戸建性能向上リノベーションプロジェクトとして、長野県飯田市に「南信州 高羽町の家」を竣工した。築50年の家をリノベーション、断熱性能を約10倍引き上げHEAT20のG2グレードへと高めた。

YKK APとU建築(長野県飯田市、三村勇二代表取締役)と共働し、中古戸建住宅を買い取り、リノベーションした「南信州 高羽町の家」(飯田市高羽町)を完成した。
YKK APは、地域の工務店・リノベーション事業者と連携し、既存戸建住宅の断熱性と耐震性をリノベーションにより向上させる「戸建性能向上リノベーション実証プロジェクト」を2017年度から展開している。「南信州 高羽町の家」は、同プロジェクトの18番目の物件となる。
飯田市はリニア中央新幹線の停車駅の予定地でもあり、魅力ある地域として注目を集める。その飯田市のなかでも高羽町は、約50年前と早期に区画整理された地域。駅からほど近く、飯田市内でも住みたいまちとして人気の高いエリアだが、空き家問題が深刻になり、その対策が課題となっている。
その一方で、更地が供給されることはめったになく、第一次取得者層にとって住みたいが物件がないという状況にあるという。
「南信州 高羽町の家」は在来軸組工法による2階建て住宅で、1972年建築と築50年が経過した物件だ。
リノベーションによる性能向上は、断熱性についてはHEAT20のG2、耐震は等級3を目指した。
もとの住宅は屋根・天井、壁、床・基礎に断熱材はなく、UA値は3.70W/(㎡・K)。窓はアルミサッシに単板ガラスであった。ここに屋根・天井にクララフォーム140㎜、壁にクララフォーム50㎜充填+キューワンボード30㎜、床・基礎にクララフォーム80㎜を入れ、窓はAPW 431大開口スライディングとAPW 330を、玄関ドアにヴェナートD30(D2仕様)を施工、UA値は0.34W/(㎡・K)と改修前の約10倍に改善、5地域のG2グレードをクリアした。また、C値は0.3である。
耐震性については、開口部耐震商品「FRAMEⅡ」を採用し、窓の開口面積や窓数を減らさずに開口部の耐力壁量を増やし、改修前の評点0.32から1.66へと改善、耐震等級3等級相当を実現した。
さらに「顔認証キー」や「スマートフォンとの連動」で施解錠ができる玄関ドアを採用し防犯性と利便性を両立。エクステリアにはルシアスシリーズのフェンス、アクセントポール、宅配ポスト、バイザーを採用して建物とアプローチのテイストを統一してデザイン性を向上させた。
U建築はリフォーム事業が売上高の3分の1を占めるが、これまで買取再販事業は手掛けてこなかった。「コロナ禍で都市部から郊外へニーズが高まり、リニア駅ができることで戻ってくる層も増えるだろう。また、新築価格が上がることで買取再販の魅力が高まっている」(U建築・小沢健取締役常務)と、買取エリアを利便性の高い中心部に絞り込み、買取再販事業を展開する。「南信州 高羽町の家」は半年程度モデルハウスとして活用し、販売する予定だ。
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