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2022.7.1

積水化学工業、ハイム工場の自動化率を30年度95%へ

生産力向上で戸建拡販、収益力強化

積水化学工業は、ユニット工法・工場生産の技術を核とし、セキスイハイム生産・施工の自動化、DX化を加速する。新たなイノベーションにより、職人不足や高齢化に対応した働き方改革や生産性、品質・安全性の向上を進め、経営基盤の盤石化を図る。


「国内において戸建住宅の販売戸数を増やしていく。ゆるぎないビジョンを持っている」と話す上瀬真一 住宅カンパニー生産・資材統括部長

同社グループは、長期ビジョン「Vision2030」で社会課題解決に対する貢献の量・質の倍増、また、業容の拡大を掲げ、取り組みを加速する。

積水化学工業 執行役員 上瀬真一 住宅カンパニー生産・資材統括部長は、「大手ハウスメーカーの多くは海外に進出し、海外での収益拡大を進める方針を打ち出しているが、当社住宅カンパニーでは、国内に集中し、特に戸建住宅の販売拡大に注力している。国内の需要をしっかり獲得していきたい」と話す。

戸建住宅の出荷実績は、2019年度1万1267棟、20年度1万411棟、21年度1万748棟で推移する。19年度まで年々、増加で推移してきたが、コロナ禍の影響を受け20年度は減少となり、21年度は持ち直した。

「生産、販売状況は、エリアによってばらつきがあり、東京エリアでは19年度の水準に戻っているが、地方エリアでは戻り切れていない。ただし、近年、まちづくり事業を展開し、分譲戦略を強化していることなどが奏功し、戸建住宅の生産・販売戸数は確実に増えている。プレハブ住宅メーカーの中でのシェアも、上位に顔を出すようになっている。22年度は対前度年比4%増の生産計画を立てており、順調に推移している。成長軌道に乗り始めているという手応えはつかんでいる」(上瀬部長)。

工場の自動化に注力
働きやすい労働環境を用意

戸建住宅の販売拡大を進める上で不可欠なのが、さらなる生産能力の向上だ。そこでセキスイハイム生産工場の自動化に注力する。「自動化により、よりダイナミックな生産性、新技術の向上が期待できる。より多くの数を安定的に供給できるようになり、品質向上にもつながる。セキスイハイムで建てたい、住みたいというお客様に、責任を持って高品質なセキスイハイムを届けていきたい」(上瀬部長)。

また、住宅の建設現場で、職人不足が深刻化しているのと同じように、工場の労働者を確保することも難しくなってきている。工場生産の自動化を進めることで、人員の最適化を図るとともに、より働きやすい環境を整備することで、労働者を安定的に確保していきたい考えだ。

生産ラインを1系統に
生産性15%向上、工数削減も

マザー工場である東京事業所において、ユニット構造体組立設備の大規模リニューアルを実施

鉄骨住宅を生産する全7工場の構造体生産工程自動化率は、22年度85%を見込んでおり、今後も自動化設備を順次拡充することで、25年度90%、30年度95%を目指す。その一環として、約10億円の投資を行い、セキスイハイムのマザー工場である東京事業所(埼玉県蓮田市)では、21年5月にユニット構造体組立設備の大規模リニューアルを実施した。生産能力向上と省人化を図る先進の大型溶接ロボット12台、部材搬送ロボット2台を導入するとともに、2系統あった生産ラインを1系統に再構築した。その結果、22年4月時点で、生産性が20年比で15%向上し、15人工相当の工数削減を実現した。工数削減により配置換えになった人員は、従来、外部の協力会社に依頼していた屋根の組み立て業務や、生産性向上に寄与するサポート業務などの新たな仕事を担っている。

鉄骨ユニットに、石膏ボードなどを取付けるライン。東京事業所からは1日平均約10棟の住宅が出荷される

今後、部材供給ハンドリング技術の開発、内外装や仕上げ工程の自動化拡大など、全工場で更なる生産性向上を追求し、30年には、20年比の生産性向上率を30%まで拡大、7工場合計で生産ライン組立人員約100人工相当の工数削減を目指す。

溶接強度検査なども自動化
データの堅性を向上

さらに、生産工場では、21年から構造体の組立品質の合否判定や記録の自動化を推進している。溶接強度検査では、測定値から自動的に合否判定を行い、結果を自動記録することで、検査データの堅牢性向上を図る。現在2工場への導入が完了、22年度中に残りの5工場にも全て導入し、重要な構造体検査の盤石化を図る。

今後、その他の工程においても当社独自の生産データ管理システムと連動した検査項目の自動指示や、画像処理技術を活用した自動検査など、デジタル技術を活用した品質管理の仕組みを開発し、工場生産ならではの高品質生産の実現を目指す。また、この品質管理手法の技術やノウハウを部材メーカーと共有し、サプライチェーン全体で高品質、高効率化していくことも視野に入れる。

施工現場にウェブカメラ
DX安全管理を推進

一方で、施工現場おいては、ウェブカメラによる生産、輸送、施工各現場の遠隔安全見守りを20年から開始した。輸送工程における積み替え場では、当日稼働中の全国約50現場全ての作業状況をリアルタイムで事務所から確認可能となった。施工現場のウェブカメラ導入率は65%まで拡大、22年度には100%導入を計画しており、DX安全管理の基盤を全現場で構築する。

この基盤をもとに、今後、モニタリングシステムによる遠隔・集中管理や、工業化住宅ならではの設計データとAIを連動した作業指示、不安全行動検知など未然防止型の安全管理システムの確立を目指す。

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