在来木造の工業化を力強く推進 大型パネルに新たな機能を加えていく
ウッドステーション 代表取締役社長 黒岩 征 氏
2022年3月、ウッドステーションは体制を変更し、黒岩征氏が代表取締役社長に就任した。
職人不足に歯止めがかからず、また、住宅により高いレベルの性能が求められる中で、同社が推進する大型パネルによる在来木造の工業化が改めて注目されている。黒岩新社長に就任の抱負と今後の展開について聞いた。
──社長就任の抱負をお聞かせください。
ウッドステーションは、在来木造の工業化を推進するというミッションを掲げ、塩地博文代表取締役会長が2018年に立ち上げた会社です。設立当初から、そのミッションがぶれることはありません。
過酷な労働条件により、住宅建設を担う大工の減少に歯止めがかからない状況が続いています。大工に押しつけてきたムリ、ムダを解消しなければ、新設住宅の約7割を占める在来木造の市場が立ち行かなくなるという危機感からスタートしたのが大型パネルの受託加工事業です。
住宅会社などから指示された設計図、仕様通りに、一般流通材を組み合わせて工場で大型パネルを製造し、現場に輸送し、組み上げることで、現場で加工すれば10日〜2週間かかる上棟の作業を1日で終えることができます。
大型パネルに機能を付加して、これまで進めてきた取り組みをさらに力強く広げていくことが私の役割です。社員はじめ、パートナー企業、大型パネルのユーザーなど、ステークホルダーと一緒に事業の幹を太くしていきたいと考えています。
住宅の高性能化の要求が強まっていることもフォローの風だと感じています。先日、国会で建築物省エネ法の改正法が成立しました。2025年度以降、全ての新築住宅に省エネ基準が義務付けられます。状況を考慮しながらより高いレベルの基準へと引き上げていく方針です。脱炭素化の流れの中で住宅には、より高いレベルの省エネ性能が求められています。また、南海トラフ地震などの巨大地震に備え、より高い耐震性能も求められています。しかし一方で、大工の確保が難しくなる中、現場の施工品質を安定的に確保することは今後難しくなっていきます。その点、大型パネルは、工場で製造するため、品質の安定化につながります。
躯体部分を中心にプラットフォームを共通化
──大型パネル事業におけるバックヤードの業務改善も飛躍的に進んでいます。
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