2022.4.15

パナソニック ハウジングソリューションズ、アブラヤシ廃材を活用した再生ボード化技術を家具市場へ

家具製造・販売メーカーと事業検証を開始、環境貢献製品として訴求

パナソニック ハウジングソリューションズは開発したアブラヤシの廃材を活用した再生ボード化技術の事業検証を、家具製造・販売メーカーと共同で実施することを発表した。同技術を活用した再生ボードを家具市場に導入し、環境貢献製品としての展開を目指す。


アブラヤシの廃材を活用した再生ボード化技術をグローバル共通名称「PALM LOOP™」として展開していく

開発したアブラヤシ廃材を活用した再生ボード化技術である「PALM LOOP™(パームループ)」の家具市場における事業検証を開始した。家具製造メーカーに同技術を活用した再生ボードを提供し、環境貢献製品としての展開を目指す。

食用油や洗剤の原料となる「アブラヤシ」は、主に東南アジア諸国で大規模に栽培されている。収穫期間を終えて伐採されたアブラヤシの廃材の多くは農園内に放置されており、腐敗時にメタンガス(温室効果はCO2の約25倍)を含む温室効果ガスが発生するため問題視されていた。

こうした問題を受け、2017年に「アブラヤシ」を大規模栽培するマレーシアを訪問、「誰かがこの問題を解決しなくてはいけない」(イノベーション本部 足立真治副本部長)と、アブラヤシ廃材の木質ボード材への転換に動いた。アブラヤシ廃材は、水分が多く腐りやすいため活用が困難とされてきたが、同社は不純物を洗浄工程で除去し、抽出した長繊維を圧縮成形して“中間材化”することで、品質の安定した木質ボードとして再生することに成功した。

木質ボード市場においては、欧州では再生木材が約9割を占めるのに対し、アジアでは半分程度となっている。また、家具市場の製造金額としては2019年時点で、欧州が約11.2兆円/年、北米が約7.6兆円/年となっている一方、アジアは約26兆円/年と大きく上回り、木質材料の消費量は1億㎡を超えるなど、木質材料の活用の場として期待がかかっている。

今回の事業検証は、(一社)アジア家具フォーラム(会員数:90社 / 団体 / 個人(海外6ヵ国 / 地域・27社 / 団体))に加盟する、家具販売メーカーの大塚家具、東京インテリア家具および製造メーカー12社と共同で行うもの。同技術を活用した再生ボード「PALM LOOP™ボード」を家具製造メーカーに引き渡し、環境に配慮した製品であることを訴求していく。販売においては、まずは大塚家具が8店舗、東京インテリア家具が6店舗で当該製品の店頭展示を4月から行う。(一社)アジア家具フォーラムでは事業検証を通じて「PALM LOOP™」に対する関心を高めたうえで、2023年3月末の事業検証終了後に、現在のMDFからの切り替え体制を整える考えだ。

パナソニック ハウジングソリューションズは今後、マレーシアの工場で中間材の製造を予定しており、3尺×6尺サイズを月に6000枚程度生産する。

事業検証を通じ、こうした環境貢献商品の需要やどのような顧客層に響くのか、またサプライチェーンの機能等を見極め、グローバルな製造拠点の配置も検討していく。