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コロナ禍で注目を集める抗ウイルス建材

手すり、カウンター、ドアノブ、接触部の提案が加速

建材メーカーがコロナウイルスの感染拡大を機に抗ウイルス製品の開発を加速させており、ハンドルや壁など接触機会の多い箇所への製品拡充が急ピッチで進んでいる。
また、新機能の付加など独自のアプローチから住宅市場でのシェア拡大を狙う動きも活発化している。


インフルエンザやノロウイルスなどの流行で人々の関心を集めてきた抗ウイルス製品は、コロナ禍でその注目度を増している。特に、ドアノブや手すり、カウンターなど、家の中で触れることが多い箇所はウイルスへの対策が欠かせない。医療施設や商業施設など不特定多数の人々が集まる場所を中心に抗ウイルス製品を展開してきた建材メーカー各社は、住宅内で接触機会の多い箇所への製品拡充や、独自のアプローチから住宅市場でのシェア拡大を狙う。

ここでは、抗ウイルス・抗菌性能に続く新性能の開発で差別化を図るアイカ工業、抗ウイルス仕様のドアや収納などを幅広く展開する大建工業、抗ウイルス仕様を主力製品に訴求する長沢製作所の三社の動きを追った。

【アイカ工業】抗ウイルス製品の出荷数が約2倍に
新性能付加でさらなるシェア拡大へ

玄関周りに洗面台を設置できるアイカ工業の「スマートサニタリーエントランスタイプウイルテクト」。扉に消臭性能を追加した「ウイルテクトPlus」シリーズを使うことでさらに付加価値が高まる

耐久性の高いメラミン化粧板を扱うアイカ工業は、抗ウイルス・抗菌性能をもつ「ウイルテクト」シリーズを2019年1月から販売している。商品ラインアップは化粧板や壁面材のほか、トイレブースやカウンター、扉などの加工品まで幅広く揃え、昨年4~12月の売上は前年同期比と比べ大きく数字を伸ばし、医療施設や学校などを中心に採用を拡大してきた。
抗ウイルス剤を表面のメラミン樹脂に練り込んでおり、ウイルスの外壁膜のたんぱく質を破壊しその合成を阻害する。ISO21702法に準拠した試験では、24時間後の特定ウイルスの数が、未加工品と比較して99%以上減少することを確認した。また、優れた耐薬品性能も備えており、消毒薬を使った拭き掃除をしても見た目や抗ウイルス性能に大きな影響がない。

これらの性能に「消臭」を加え、差別化商品として強く打ち出すのが、「ウイルテクト Plus(プラス)」シリーズだ。昨年8月のメラミン不燃化粧板「セラールウイルテクト Plus」の発売を皮切りに、同年10月にはメラミン化粧板「アイカウイルテクト Plus」を発売、同年12月にはトイレブースなどの加工品を追加、現在では11点をラインアップしている。硫化水素やアンモニアなど不快臭の原因となる物質を低減させ、メラミン化粧板およびその加工品で抗ウイルス・抗菌・消臭の3つの性能を併せもつ国内初の製品となる。

住宅市場においては、「抗ウイルス建材を求める住宅事業者は少なくない。戸建住宅におけるニーズは高い」(同社)とみており、こうしたニーズに対してさらに商品開発に注力し、消臭に続く新性能の付加も視野に入れているという。

【大建工業】抗ウイルス製品を幅広く展開
手すりの売上数は約4割増に

大建工業の集成材カウンター(ゴム材)のイメージ。「ビオタスク(抗ウイルス機能)」仕様でサイズなどの特注にも対応する

大建工業は、2012年に建材業界で初となる抗ウイルス機能『ビオタスク』技術を確立し、まずは高齢者施設向け製品の一部に同機能を採用。その後2020年には、室内ドアのレバーハンドルや引戸の引手、カウンタートップ、手すりの「接触3部位」などを中心に抗ウイルス化を進めた。

同社は、研究開発拠点「DAIKEN R&Dセンター」を2018年に開設。感染症の原因となる微生物やウイルスなどの病原体を取り扱うことができる「バイオセーフティレベル2」のハイレベルな研究施設として、スピーディーに試験や測定などを行うことで、近年の抗ウイルス需要にいち早く対応できた。

また、『ビオタスク』の抗ウイルス性能は、JIS Z 2801を参考にした方法による試験によって、24時間後に特定ウイルスの数が99%以上減少することを確認しており、塩素系漂白剤を使用した消毒にも対応する(床材・壁材を除く)。

『ビオタスク』仕様の製品としては、ドア、収納、階段部材、手すり、壁材、床材をラインアップ。なお、手摺セット32型などの一部製品は抗ウイルスSIAA認証を取得している。

そして、これら『ビオタスク』製品のなかでも特に好調なのが、接触機会の多いカウンターと手すりだ。2021年度上期の売上数は、カウンターが約3割増、手すりが約4割増(共に前年同期比)と順調に推移しており、「”with コロナ”を意識した抗ウイルス製品の選択が増えている」(同社)と分析する。

【長沢製作所】抗ウイルス仕様のボタン錠を追加
改修提案の強化で販売数2倍へ

「Vi-Clear キーレックス3100」( 左)、「Vi-Clear わんにゃんレバーハンドル」(右上)、「Vi-Clear レバーハンドル」(右下)のイメージ

建築金物を製造・販売する長沢製作所は、独自に開発した抗ウイルス・抗菌仕様のマテリアル「Vi‐Clear(ヴィークリア)」を販売する。

「Vi‐Clear」は、24時間で99.99%以上のウイルスを減少させ、細菌の繁殖を防ぐ。SIAA抗菌マークに加え、住宅建材のドア取手では業界初となる抗ウイルスマークを取得した。

同社は、コロナウイルスの感染拡大前から抗ウイルス製品の開発に着手、20年9月に発売した「Vi‐Clear レバーハンドル」を皮切りに、昨年3月にはイヌとネコのデザインが特徴的な「Vi‐Clear わんにゃんレバーハンドル」を展開、室内向け製品から抗ウイルス化を図った。そして今年2月には、完全メカニカル構造のボタン錠「Vi‐Clear キーレックス3100」を新たに発売した。

全6種で構成される「キーレックス」シリーズは、40年以上前から同社の主力製品として展開、主に駅の従業員専用扉などで採用を広げ、累計出荷数は100万台を超える。

新たに追加した「Vi‐Clear キーレックス3100」は、レバーは、「Vi‐Clear レバーハンドル」と同様に抗ウイルス・抗菌機能を施す。接触することが多いボタン部分には抗ウイルス・抗菌機能を付与したステンレス素材を採用したことで、抗ウイルス塗装の剥がれによるセキュリティ面の懸念を解消した。横幅が狭く、スリムでコンパクトなボディーが特徴的で、正面玄関だけではなく、勝手口やマンションのゴミ庫、補助錠としても採用できる。また、抗ウイルス仕様でありながら、未加工品との価格差は設計価格で約2000円を設定、今後も「キーレックス」シリーズの他製品やバーハンドルなどへの拡充を予定しているという。

「ドアは家に入る最初のタッチポイント。抗ウイルス化はユーザーの安心に繋がる」(同社)とし、自社ECサイトなどを通じ、特に戸建住宅での改修提案に力を入れる。抗ウイルス仕様製品について、昨年度比2倍の販売を計画している。

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