2022.3.14

2×4の強み生かし脱炭素、無垢材活用を推進する会が発足

ウイングらが疑心暗鬼はらい、チームで環境貢献

2×4工法のコンポーネント事業を展開するウイングが中心となり、2×4の強みを生かして、川上から川下までの事業者が連携し、チームで脱炭素、無垢材活用を推進する会「カーボンニュートラル 無垢材活用の会」(以下、無垢材活用の会)が発足した。


「環境貢献という同じ目標を掲げ、チームで合理化・無駄削減に取り組んでいく時代がきている」と話すウイングの橋本常務

伐採期を迎える国産材の活用、さらに、脱炭素化、SDGsといった観点から近年、木材利用、木造建築に注目が集まっている。
こうした背景を踏まえ、国産材を有効活用するサプライチェーンの再構築が強く求められているが、成功事例はまだ少ないのが実情だ。
その理由についてウイングの橋本宰常務は、「川上、川下の事業者の双方が疑心暗鬼になっている。川上の事業者は、『国産材をもっと用意してくれと言われるが、輸入材の状況に左右されるのではないか』と不安を抱え、『部材の加工度が高まるほど歩留まりが低くなり、利益の確保が難しい』といった課題も抱えている。一方で、川下の事業者は、『長物、種類はあるのか』、『量は確保できるのか』、『輸入材より安いのか』といった要求ばかりで、両者が歩みよる状況にはない」と話す。こうした状況を変えていくには、一事業者だけでは難しく、林業から工務店までの事業者が連携してチームで変えていこうと立ち上げたのが無垢材活用の会だ。

「企業には、ボランティアではなくビジネスとして環境貢献、SDGs対策を進めていくことが求められている。また、人手不足による物流コストの上昇にも対応していく必要がある。一方で、コロナ禍により、リモートでの打ち合わせ、会議などが当たり前になり、日本全国の事業者と連携しやすい状況が生まれている。かつては、一企業でコストカット、競争していたが、環境貢献という同じ目標を掲げ、チームで合理化・無駄削減に取り組んでいく時代がきている」(橋本常務)。

既存のものを生かす“ブラウンフィールド型”開発

無垢材活用の会では、その名の通り、まず「無垢材活用」を促進する。「少材種」、「無垢材」、「簡易仕口」で対応できる2×4ならではの特性を生かした取り組みだ。

2×4の基本的な構造材はわずかに6種類。木材断面サイズだけでも50~60種類に上る軸組工法に比べて、少種類の材種であることは、森林の伐採、製材の効率化、管理・在庫の軽減につながり、小規模で効率的な経営が可能になる。

また、2×4は、主要構造材にJASの無垢製材品を使用する工法であり、かつ、シンプルかつ欠損の少ない加工で済むため、乾燥機とプレーナーさえあれば、製材工場は既存設備のままで対応できる。「少ない設備投資で既存のものを生かした“ブラウンフィールド型”のサプライチェーン構築が可能になる」(橋本常務)。

構造設計のルールの統一化で歩留り高め、収益力向上


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