[図解 日本の人口移動]人の移動に変化が 一極集中の傾向にブレーキ

都心から埼玉、千葉、神奈川へ 名古屋圏、大阪圏も転出傾向が続く

働き方改革、デジタル化の推進などを背景に徐々に広がってきた地方移住が、コロナ禍で加速し始めた。
大都市からその周辺へという人の動きが顕著に進み始めている。
今、注目を集める県、市町村はどこなのか──。


図1 転入超過となった10都道府県の転入・転出超過数

「住民基本台帳人口移動報告」(総務省)をみると、国内での人の移動に変化が起こり始めているようだ。

2021年1~12月において、国内の市区町村間を移動した人は534万7744人、前年比0.2%減とほぼ横ばいとなっているが、都道府県別にみると様相は大きく異なる。

まず、今回の調査結果で大きなポイントは、人口の多くが集まる東京都の転入増加にブレーキがかかったことであろう。

転入者は42万167人と全都道府県のなかで一番多いが、前年から1万2763人減と大きく減った。一方、転出者も41万4734人と多く、こちらは1万2929人の増加。結果、転入超過は5433人と、前年の3万1125人から2万5692人の減少となった。調査方法が変わった2014年以来最小の転入超過数である。

1、2月の転出超過から3、4月は転入超過に転じたものの、5月以降8カ月連続で転出超過が続いている。

その一方で転入超過数を増やしたのが、茨城県(転入超過数前年比4773人)、埼玉県(同3536人)、千葉県(同2342人)、神奈川県(同2270人)という東京都周辺の4県である。コロナ禍でテレワークが広がったことにより、職住近接の大都市中心部の暮らしを捨て、郊外へ転居する動きが指摘されているが、人口移動報告でそれが裏付けられたといえよう。

全都道府県のうち、転入超過となったのは前出の1都4県以外に、群馬県、山梨県、滋賀県、大阪府、福岡県の全1都1府8県。転入超過数が多いのは、神奈川県(3万1844人)、埼玉県(2万7807人)、千葉県(1万6615人)がトップスリーであり、東京近県が占めている。

これら10都道府県の中で、東京都と大阪府は転入超過数を前年から大きく減らしていること、茨城県と群馬県、山梨県の3県が前年の転出超過から転入超過へと転じたことが特徴的だ。

東京圏
20歳代で転入超過が縮小
子どもと高齢者は転出超過に

図2 東京圏(1都3県)の転入超過数の推移

東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)でみると8万1699人の転入超過ではあるが、超過数は2年連続の縮小となった。3県はいずれも転入超過数が前年より拡大しているものの、東京のみが2年連続の減少となっている。日本人に限った東京圏の転入超過数は、2011年の6万人強から2014年には10万人をこえ、2019年には14万5000人強となったが、2020年に9万8005人と10万人を切っていた。

2021年の推移をみると、転出者は1~5月は増加傾向で推移したが、6月以降は減少傾向に転じた。ただ、東京都に限ってみると5月以降、8カ月連続の転出超過が続いている。

転入・転出超過数を年齢5歳階級別にみると、転入超過になっているのは10~29歳、80~90歳の7区分。ただ、20~24歳、25~29歳、10~14歳の3区分で転入超過が縮小しており、特に最も転入超過が多い20~24歳では前年より3230人と最も多く縮小している。

一方、転出超過となっているのは0~9歳、30~79歳の12区分。転出超過数は60~64歳が最も多く、次いで0~4歳、35~39歳となっている。前年に比べて転出超過が拡大しているのは35~39歳など11区分で、特に30~34歳は前年の転入超過から転出超過に転じたが、これは2014年以降初めてのことである。

全体的にみると、20~24歳をピークに前後5歳(15~29歳)で転入超過が際立っているものの、それ以外は転出超過がほぼ横ばいという状況で、多くの区分で転出超過幅が拡大している。


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