住友林業、30年に住宅供給を年間5万戸に倍増
海外比率8割に、国内外で脱炭素化を推進
住友林業は2030年に住宅供給数を5万戸に倍増させる。
北米を中心に海外での供給戸数を増やす考えで、海外比率を8割まで高める方針だ。
30年までの長期ビジョンを策定
米国・豪州への展開を強化
国内はLCCM住宅を発売
住友林業は、2030年までを見据えた長期ビジョン「Mission TREEING 2030」を策定した。経常利益を2021年度の1345億円から2030年度には2500億円まで高める。
この目標の達成に向け、建築分野では、国内と海外を合わせて住宅の供給戸数を現在の2・7万戸から30年に5万戸に倍増させる。
特に海外展開の拡大に力を入れる。2021年度の海外比率は6割と既に海外が国内を上回っているが、2030年には海外比率を8割に高める。
特に注力するのが米国と豪州だ。米国の2021年の供給戸数は1万1230戸だが、2030年度に2万3000戸に、豪州は3169戸を5500戸に倍増させる。またその他の地域も、2534戸から1万1500戸に増やしていく考えだ。
また、年間供給戸数5万戸の達成に向け、国内外で脱炭素化を推進し商品の訴求力向上を図る。日本ではZEH、LCCM住宅の提案に力を入れる。脱炭素化住宅のフラッグシップモデルとしてLCCM住宅を5月のゴールデンウイークに発売し、本格的に提案を強化していく方針だ。「これからは、暮らす時の脱炭素だけでなく、建てる時の脱炭素も推進していきたい」と、光吉敏郎社長は話す。
また、海外で非住宅の中大規模木造建築の強化を図る。ネットゼロカーボンビルの提案を推進する考えで、2023年にはメルボルンで15階建木造オフィスを、2024年にはロンドンで6階建木造オフィスを竣工する予定だ。
1000億円規模の森林ファンドを創設
木材コンビナートで国産材活用推進も
森林事業では、民間企業による出資を募り、木材販売の拡大を目的とした「グローバル森林ファンド」を組成する。東南アジア、オセアニア、北米などの森林を保有・管理し、切り出した木材を建材メーカーなどの木材需要家へ販売することで収益を得る。ファンドの運用資産は1000億円規模を見込んでおり、その資金を活用することで森林の保有・管理面積を2021年時点の約2倍となる50万㏊まで拡大したい考えだ。
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