大和ハウス工業、空中タッチインターホンの実証実験を開始
マンションの非接触ニーズへの対応を加速
大和ハウス工業は、空中タッチディスプレイを活用した「空中タッチインターホン」の分譲マンションのへの導入に向け、実証実験を開始した。コロナ禍をきっかけに高まる非接触ニーズへの対応を加速させたい考えだ。
コロナ禍で8割の人が
ボタンやドアノブとの接触が気になる
大和ハウス工業はパナソニック、アスカネットと非接触で操作できるインターホン「空中タッチインターホン」の共同実証実験を本格的に開始した。
コロナ禍で、不特定多数の人が触れる箇所に直接接触することに抵抗や不安を感じる人が増えている。アスカネットが2020年に実施した「コロナショック前後のモノとの接触」に関する意識調査によると、約8割の人がボタンやドアノブなどモノとの接触が気になると回答している。
大和ハウス工業は、こうした非接触ニーズに対応するため、分譲マンションにおいて、専有部では抗ウイルス・抗菌を施した床材や建具などを採用、共用部では非接触キーやハンズフリーエレベーターの導入などの非接触化に取り組んでいる。
それでも、来訪者がロビーインターホンで居住者を呼び出す際には、ボタンに触れなくてはならず、「ロビーインターホンだけは非接触化に対応できていない」(総合技術研究所・山下信雄氏)という。
そのため今回、ロビーインターホンを非接触で操作できるようにするため、大和ハウス工業はパナソニック、アスカネットと、空中で操作できるインターホン「空中タッチインターホン」の共同実証実験を本格的に開始した。
分譲マンションサロンに設置
来場者の意見を収集し商品化へ
「空中タッチインターホン」は、アスカネットが開発した空中ディスプレイ「ASKA3D」にタッチパネル機能を加えたもの。空中ディスプレイは、液晶ディスプレイから発する光を特殊な光学プレートを通過させることにより空中で結像させ、あたかも空中に液晶ディスプレイが浮かんでいるように見せるものだ。
これまでは、デジタルサイネージなど、あくまでディスプレイの映像を見せる用途にとどまっていたが、今回、赤外線センサーを組み合わせることで、タッチディスプレイのような使い方が可能になり、「空中タッチインターホン」が実現した。
今回の実証実験は、1月15日から6か月程度実施する。1月8日にオープンした大和ハウス工業の分譲マンション「プレミスト津田山」(神奈川県川崎市高津区)のマンションサロンに設置。来場者に実際に使用してもらい、画面の見やすさ、タッチの反応速度、操作間違えの頻度などをアンケートで調査。また、耐久性の評価なども検証し、実際の商品化を目指す。
商品化は実証実験終了後1年程度を目途としており、その後、大和ハウス工業の分譲マンションへの導入を図る予定だ。
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