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2021.12.23

月面無人建設の技術開発が始動

災害対策、無人化施工など地上の建築・住宅へも波及

国土交通省は、「宇宙無人建設革新技術開発推進事業」(国交省主担当、文科省連携)の技術研究開発の実施対象(10件)を決定した。月面で最先端の無人建設技術の開発が加速することで、地上における建築・住宅のへの波及効果にも大きな期待が持てそうだ。


宇宙無人建設革新技術開発推進事業」は、国が推進し、各省の縦割りを排し、連携して月面開発、衛星基盤技術の強化などを目指す「宇宙開発利用加速化戦略プログラム」(スターダストプログラム)の一つとして2021年7月に選定された。

月面開発などの宇宙開発に資する建設技術(自動化・遠隔化、建材製造、構造物など)について、建設事業における発展を考慮し、優先度の高い技術開発を推進する。

清水建設などが提示した「スペースコロニーデモンストレーションモジュール」

近年、激甚化する災害対応・国土強靱化に加え、人口減少下において、無人化施工技術の更なる高度化と現場への普及は喫緊の課題となっている。月面拠点建設へ適用するための技術開発を進めるとともに地上の事業へも波及させる。

今回、「無人建設(自動化・遠隔化)に係る技術」としては、測量・調査から、施工に至る、各種建設作業のための機械・システムに係る研究開発(6件)を決定した。

その一つが技研製作所の「重力に依存しない杭圧入技術/インプラント工法の宇宙空間での適用可能性に係る調査」。重力が地球の6分の1となる月面では、安定性を機械重量に依存した大型建設機械の利用が難しい。一方、発射台や基地などの建設物を月面に支持・固定するくい打ち技術は宇宙開発で需要が想定される。この研究開発では宇宙空間における杭圧入技術/インプラント工法の有用性を検証する。

「建材製造に係る技術」では、製造・施工方法、新素材に係る研究開発(2件)が決定。その一つが大林組の「月資源を用いた拠点基地建設材料の製造と施工方法」。月レゴリス(ソイル)を原料に、太陽光発電などをエネルギー源として活用し、レーザーやマイクロ波などで加熱し、焼成物を現地で製造し、これを建設材料に利用する。

「簡易施設建設に係る技術」では、膜構造、展開構造物に係る研究開発(2件)が決定。その一つが清水建設の「膜構造を利用した月面インフレータブル居住モジュールの実現可能性検討」。月面へ持っていける重量や寸法は、ロケットに搭載可能な範囲に限定される。膜構造を利用した、畳んで運べて現地で展開できる月面インフレータブル(膨脹型)居住モジュールの実現可能性を検討し、輸送の効率化、コストの削減を目指す。

今後、省庁連携「無人建設革新技術開発推進協議会」の体制の下、個別の技術研究開発を進めつつ、5か年間の事業として、建設事業の高度化を実現し、近い将来の月面など宇宙開発における建設活動に活用していく方針だ。

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