エネルギー基本計画と地球温暖化対策計画が閣議決定
30年度CO246%削減へ道筋
3年ぶりの改訂となる第6次エネルギー基本計画と、5年ぶりの改訂となる地球温暖化対策計画が、それぞれ閣議決定された。2030年度の温室効果ガスを2013年度比で46%削減する目標達成に向け、具体的な道筋を示した。
新エネルギー基本計画では、2050年カーボンニュートラル、2030年度の46%削減、更に50%の高みを目指して挑戦を続ける新たな削減目標の実現に向けたエネルギー政策の道筋を示した。
2030年度のエネルギー需給の見通しは、火力発電が41%(内訳はLNGが20%、石炭が19%、石油等が2%)、再生可能エネルギーが36〜38%、原子力が20〜22%、水素が1%。再生可能エネルギーの内訳は、太陽光が14〜16%、風力が5%、地熱が1%、水力が11%、バイオマスが5%。現在取り組んでいる再生可能エネルギーの研究開発の成果の活用、実装が進んだ場合には38%以上の高みを目指す。
2030年の目標達成に向け、需要サイドの取り組みとして、業務・家庭部門において、2030年度以降に新設する住宅・建築物についてZEH・ZEB基準の水準以上の省エネ性能の確保を目指す。また、建築物省エネ法による省エネ基準の適合義務化と基準引き上げ、建材・機器トップランナーの引き上げなどに取り組む。
再生可能エネルギーの主力電源化も徹底する。具体的な取り組みとして、改正温対法に基づく、再エネ促進区域の設定(ポジティブゾーニング)による太陽光・陸上風力の導入拡大など、地域と共生する形で適地確保を進める。また、FIT・FIP制度における入札制度の活用や中長期的な価格目標の設定により、発電事業者が市場で自ら売電し市場連動のプレミアムを受け取ることができる環境を整備し、再エネ市場のコスト低減、統合に取り組む。
「地球温暖化対策計画」では、温室効果ガス別の目標や部門別の目標を図の通り設定した。特に家庭部門については、2013年度の排出実績である2・08億トンから、2030年度に0・7億トンへと削減する高い目標が設定された。削減率は従来目標の39%から66%へと大幅に上昇している。
気候変動対策として、徹底した省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの最大限の導入、技術開発の一層の加速化や社会実装、ライフスタイル・ワークスタイルの変革などを進める。また、温室効果ガス吸収源対策・施策として、健全な森林の整備や農地による炭素貯留、二国間クレジット制度(JCM)の推進などが盛り込まれた。
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