積水ハウス、新生活様式対応が奏功し、戸建事業が好調
上期は増収増益、通期も上方修正へ
積水ハウスは上期の決算を発表した。新生活様式への対応により戸建て住宅事業が好調に推移するなどし、増収増益を確保。
通期予想も上方修正した。
戸建はコロナ前の水準まで回復
付加価値提案や新営業拠点が寄与
積水ハウスは上期の決算を発表、売上高は1兆2236億500万円(前年同期比4.8%増)。営業利益は1096億9300万円(同18.4%増)と、増収増益を確保した。戸建住宅、賃貸住宅、リフォームなどの事業がプラスとなり、「コロナで苦しんだ昨年から、順調に回復してきた」と、仲井嘉浩社長は話す。
戸建住宅事業の売上高は1671億1800万円(前年同期比6.1%増)、営業利益は203億3800万円(同36.5%増)となり、好調な受注が増収増益に寄与した。
「新型コロナウイルス拡大の第1波、第2波頃までは厳しかったが、それ以降は徐々に持ち直し、現在はコロナ禍前の水準まで回復してきた」と仲井社長は話す。
受注が好調な理由については、「ステイホームで住宅の購入意識が高まるとともに、昨年から開始した様々な提案が軌道に乗ってきたため」(同)としている。
特に、新しい生活様式に対応した高付加価値提案が奏功したと見る。同社では、仕切りのない大空間リビング「ファミリー スイート」に、「在宅ワーク」、「おうちでフィットネス」、「うち de バル」などのアフターコロナに対応したライフスタイル提案を盛り込んだ戸建住宅の新たなコンセプトモデル「ファミリー スイート おうちプレミアム」を昨年8月から提案しているが、2020年度の採用率は60%に達している。また、次世代室内環境システム「スマートイクス」の採用率も、昨年12月の発売開始から半年で採用率80%を超えた。
また、全国5か所で展開する単独の体感型展示場「住まいの夢工場」を「Tomorrow,s Life Museum」へとリニューアルし、顧客体験の満足度をさらに高めるといった営業強化も、戸建事業の回復を後押しした。「人気で非常に予約が取りづらい状況」(同)という。
一方で、ウッドショックによる木材高騰で50億円、鋼材の値上がりで20憶円というマイナス要因もあり、「これがなければさらに70憶円売上高を積み増すことができた」と仲井社長は悔しさを滲ませる。
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