一条工務店「水害対策に関する意識調査」
水害リスクを感じているものの“備えをしていない”は8割以上に
対策にお金をかけてもよいが、何をしてよいのか分からない
一条工務店が、水害への危機感や対策の状況について、全国の男女869人を対象に調査を行った。“備えていない”人の半数が「何をすればよいのかわからない」など、対策に関する情報が不足している状況が浮き彫りになっている。
同調査によると、身近な水害リスクについて「非常にリスクを感じている」(17.7%)+「ややリスクを感じている」(46.1%)と、6割以上の人が水害のリスクを感じている。しかし、「水害に対する備えをしている」人は15.4%しかおらず、84.6%の人が水害への備えをしていない。
「備えをしていない」と回答した人に理由を尋ねたところ(複数回答)、「何をすればよいのかわからない」が57%と抜きんでて多く、次いで「住んでいる地域の災害が少ない」、「被災する実感がない」と続いた。
水害リスクを感じているにもかかわらず「自分だけは大丈夫」と考える人が多い一方、自分事として捉えても何をしててよいのか分からないと、対策の情報はいきわたっていないようだ。
一方、「水害に対する備えをしている」人に「備え」の内容を聞いたところ、「食料・水の備蓄」が9割近くと最も多く、「懐中電灯の購入」、「ハザードマップの確認」、「防災グッズ・非常用持出袋の準備」、「電池・モバイルバッテリーの購入」の4項目が6割を超えている。
戸建住宅に住む人に「水害で自宅が床上浸水した場合、元の生活ができる状態まで復旧するのにどのくらいの時間がかかると思うか」と尋ねたところ、最も多かったのは「1カ月以上〜3カ月未満」(27.0%)であり、半数近くが3カ月以内に復旧できると考えている。
床だけであれば2週間もみればよいが、浸水害の場合は周囲も被害を受けているケースがほとんどで、工務店などの手が足りなくなることも考えられる。さらに大規模災害の場合、資材が不足すケースもある。例えば、2020年の九州北部7月豪雨で、床上浸水+壁に被害があったケースでは元の生活に戻るまでに7カ月かかった例もあったという。
さらに、戸建住宅に居住する人に「水害対策のために家を補強するとしたらいくらまで検討するか聞いたところ」、最も多かったのは「50万円以上〜100万円未満」(35.3%)であるが、「100万円以上」をかけても良いと考えている人も3割以上いる。
対策にお金をかけても良いと考えているにもかかわらず、実際にはどうして良いのか分からないというのが現状のようだ。
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