LIXIL、ドイツ・プロファイン社と樹脂窓を共同開発
分離回収、リサイクルの仕組みを確立
LIXILは、先進的な樹脂リサイクル技術を持つドイツのプロファイン社と共同で、世界トップレベルの断熱性能を付与した樹脂窓「EW」を開発した。分離回収、リサイクルの仕組みを確立し、資源の循環利用を推進する。
脱炭素社会の実現に向け、さらなる住宅の省エネ化が求められる中、同社は、窓のリーディングカンパニーとして2026年3月期までに“高性能窓比率100%”の達成を掲げる。
同社が定義する高性能窓とは、熱貫流率2.33W/(㎡・K)以下の製品(サーモスL(Low-Eガラス/アルゴンガス入り)に相当)。2015年3月期の高性能窓の出荷比率は15%、これを2020年3月期には74%まで高めた。2022年3月期にすべての窓シリーズ(アルミ窓・ハイブリッド窓・樹脂窓)の高性能化を図る。第一弾として4月に、国内最高水準の断熱性能を持つアルミ窓「サーモス A」を発売した。
住宅高性能化を推進
フレームデザインにもこだわり
そして今回、第2弾として、世界100か国以上で樹脂形材を提供し、優れた設計・押出技術と先進的な樹脂リサイクル技術を持つプロファイン社(ドイツ)と共同開発した樹脂窓「EW」を8月から北関東以南地域限定で発売する。
多層ホロー構造や、トリプルガラスの採用のほか、プロファイン社の優れた形材押出技術によりフレームをスリム化する一方で、ガラス面積を拡大し、断熱性能を高め、世界トップクラスの断熱性能(熱貫流率0.79W/㎡・K)を実現した。また、台風など日本の厳しい気候風土にも配慮し、気密・水密・耐風圧性能をそれぞれ国内最高水準まで高めた。
さらに、躯体掛かり幅を48mm確保し、障子の加重を受ける下枠に補強芯材を設け、加重による枠の変形を抑制することで、長期使用に配慮した。デザイン性にもこだわった。額縁のようなフレームが美しく際立つ木調色の「EW for Design」と、フレームが空間に溶け込む内観色ピュアホワイト色の「EW」を用意する。
加えて、資源の循環利用に向け、樹脂フレームのリサイクル材使用率を従来品よりも約3倍に拡大した。また、接着剤を使用せず樹脂フレームとガラスの分離回収が容易に可能な「押縁仕様」を採用し、樹脂形材と同時に再生利用ができる樹脂ラッピング材も使用している。「2023年3月期までに端材再利用率100%を実現し、将来的には、行政とも連携し官民一体となって樹脂窓のリサイクルシステムの構築、市中回収材の再利用も含めリサイクル最大化を目指す」(Housing Technology Japan 田村 光宏サッシ・ドア事業部長)考えだ。
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