日鉄興和不動産、新たな暮らし方を探索 社内にシンクタンク
ブランドロゴも刷新 認知度向上を目指す
日鉄興和不動産は、マンションの企画などを担う社内シンクタンクを立ち上げた。同社は住まい手のニーズに応じた空間提案などを強みとし、個別物件で行わる空間提案の横展開などを探る。
同社はファミリー向けの「リビオ」シリーズなど分譲マンションを展開。2020年の首都圏マンション販売戸数は6位(不動産経済研究所調べ)に。主に単身向けをターゲットに置く「リビオレゾン」シリーズも展開しており、1LDKの供給戸数では首都圏2位(マーキュリー「サマリネット」調べ)になるなど存在感を強めている。
同社が展開するマンションの特徴の1つが、住まい手のニーズに合わせた空間提案などだ。例えば、コロナ禍で外出を控える動きに対応して、新築のマンション共用部にスマホをかざすだけで商品購入ができるマンション専用の無人ストアを提案。また、地方で農業を手伝った人などに、労働の対価として宿泊施設に泊まれるサービスを提供する企業と業務提携し、マンション購入者に付帯サービスとして提供するなど、新たな暮らしの体験価値も提案している。もっとも、こうした提案は物件ごとに行われていることが多いという。社内シンクタンクを通じて、こうした取り組みなどの情報を集約し、横展開を目指す。
新設された社内シンクタンクは「リビオライフデザイン総研」。ここで「見つめる」、「考える」、「発信する」──という3つのフェイズで活動に取り組んでいく。「見つめる」では、購入者アンケートや生活者1000人から話を聞くなどしながら、世の中の活動を探る。「考える」では、社内のワークショップのノウハウを結集したり、専門家などの知見との連携をしたりしながら、今後の暮らし方などについて考えていく。「発信する」では、マンションの最新情報や、購入前・購入時・購入後に役立つ情報などを生活者などに伝えていく。佐藤有希所長は「人生を豊かにするマンションや住まいの在り方を研究し、人生を豊かにするヒントを届けていきたい」と話した。
また、「リビオ」シリーズが誕生から今年で20周年を迎えたことを機に、ブランドコンセプトとロゴを一新した。これまで同社では、一つ一つの物件の商品企画の中で、その時代・ターゲットのニーズに合わせて、常識にとらわれない新しい価値を付加し、供給してきた。今後は、その中で蓄積されたノウハウを、カテゴリーの垣根を越えてより一層活用、より幅広い価値観に対応していく必要があると考え、ブランドコンセプトなどを見直した。
首都圏ではマンション供給で6位に入る同社だが、「リビオ」というブランドの認知度は高くないという。同社によると、認知度は39%。猪狩甲隆常務は「ロゴのキービジュアルを統一し、ブランドコンセプトを再設定したことで、さらなる認知度向上を図りながら、今後も年間1000~1500戸のマンションを供給していく」と話す。
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